ディズニーが3月15日、新作映画「美女と野獣」のマレーシアでの上映を中止すること決めたと、AFP通信などが報じた。マレーシア政府が同性愛が描かれているシーンをカットして上映しようとしたためだ。
ビル・コンドン監督は、英紙アティテュードのインタビューで、ガストンの子分ル・フウについて、「ある日はガストンになりたいと思い、別の日は彼にキスをしたくなったりとする」と説明している。
同作に登場するガストンとル・フウのキャラクター画像。
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ニューヨークタイムズによると、マレーシア映画検閲委員会は、同性愛を助長することを理由に、2人の男性がダンスホールで踊るシーンをカットすべきだと指導した。対象となるシーンは、およそ3秒であると言われている。
ディズニー側は15日、AFP通信の取材に対し、「マレーシアでの上映用に、映画のシーンはカットされていないし、これからもそうすることはない」と述べた。マレーシアでは16日の公開を予定していたが、見送られることになった。
アブドゥル・ハリム映画検閲委員長は15日、マレーシアが映画の上映を禁止しようとはしていないと述べた上で、「マレーシアのガイドラインでは、映画の作中での同性愛の行為を認めない。それらが映画の上映を妨げているが、少しカットすれば上映を認める」と、ニューヨークタイムズのインタビューに答えた。
さらに、ディズニーが該当シーンをカットすることに応じれば、映画はPG-13指定(13歳未満の鑑賞には保護者の同意が必要)を付けて上映すると話していた。
マレーシアは、イスラム教徒が大多数を占める国で、実際に適用されることは稀だが、男性同士の性行為などを法律で禁じている。2015年にはアンワル・イブラヒム元副首相が、元側近に対する同性愛行為の容疑で有罪判決が確定した。
■ロシアでは16歳禁指定で公開
「美女と野獣」上映の是非をめぐり、各国や地域で波紋が広がっている。
ロシアでは、与党議員が「同性愛の宣伝活動」を未成年に広めることを禁じた法律を根拠に上映禁止を求めたが、16歳以上の年齢制限付きで公開することで決着した。
アメリカ・アラバマ州の映画館も、同性愛のシーンが含まれるため上映しないとFacebook上で宣言し、物議を醸した。
日本では、4月21日に公開される。
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