BBCがなりすまし人物にインタビュー。「議員だと思っていたけれど違いました」と謝罪

バイデン氏の外交問題について語ったなりすまし人物、「計画的ないたずら」だったようです
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アメリカのコーリー・ブッカー上院議員(2020年10月15日撮影)
Photo by Jonathan Ernst-Pool/Getty Images

アメリカの上院議員コーリー・ブッカー氏だと思ってインタビューをしていた相手は、ブッカー氏を装った別人でした――。

2月26日に放送したラジオ番組の間違いについて、BBCが訂正とお詫びを発表した。 

「計画的ないたずら」か

BBCは声明の中で、ブッカー氏を名乗った人物は「計画的ないたずら」でインタビューに答えたようだと説明している。

すでにブッカー議員に謝罪しており、原因を調査中だという。2度とこのようなことがないようにするとも述べている。  

BBCによると、インタビューが放送されたのは、BBCワールドサービスのラジオ番組「ニュースアワー」。放送は一度だけだったという。同番組内でも3月1日に謝罪した。

インタビューでブッカー氏のなりすまし人物に尋ねたのは、バイデン政権のサウジアラビアへの対応についてだった。

バイデン政権は2月、2018年に起きたサウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏殺害事件に、サウジアラビアのサルマン皇太子が関与していたという報告書を発表した。

しかしバイデン政権はサルマン皇太子の関与を指摘する一方で、サウジアラビアに制裁を科さない決定をしている。

インタビューではこのことについて尋ねたが、リスナーの中には、話の内容がブッカー議員の普段の主張とつじつまが合わないことに気づいた人たちもいた。

Twitterユーザの1人は「BBCワールドサービスニュースアワーで、アメリカとサウジアラビアの関係についてのインタビューをしているけれど、これはコーリー・ブッカー氏じゃない」と投稿している。

また、ブッカー氏にメンションを飛ばして「@CoryBooker 、カショギ氏の殺害について、今日BBCのインタビューに答えましたか?全くあなたらしくなく、あなたとは違う話をする人が今日、あなただと名乗っていました」とツイートしている人もいる。

ハフポストUS版はブッカー議員のオフィスにコメントを求めているが、まだ返事はない。

過去にもなりすまし人物にインタビューが

なりすまし相手にインタビューする誤報道は多くはないが、FOXニュース司会者のマリア・バーティロモ氏がなりすまし相手に生放送でのインタビューをしたケースが過去にはある。

この時バーティロモ氏は、食肉加工会社「スミスフィールド・フーズ」のデニス・オーガンCEOに話を聞いていたつもりだった。しかし実際に話をしたのは、オーガン氏になりすました動物権利擁護団体の活動家だった。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました(翻訳:Satoko Yasuda )。