アメリカ・ルイジアナ州バトンルージュで7月17日朝、警察官らが何者かに銃で撃たれ、3人が死亡、3人が負傷した。容疑者は29歳の男で、現場で警察に射殺された。
バトンルージュでは7月5日、黒人男性が白人警官2人に取り押さえられて射殺された。警察の対応を疑問視する市民が大規模な抗議行動を続けている。
また、ミネソタ州セントポールでも6日、同様に警官が黒人を射殺する事件が起き、テキサス州ダラスでは7日、一連の黒人射殺の抗議運動の最中に、警察官5人が狙撃されて死亡した。わずか2週間の間に、警察官と市民が次々に銃で射殺される異常事態になっている。
現場は警察署から約1.8km南のショッピングセンター。目撃者が現地メディアに語った内容によると、17日午前9時ごろ、洗車場の近くで、黒い服を着て、顔を覆面で覆った1人の男が、洗車場の近くから発砲したという。
地元警察当局などによると、死亡した2人は地元の警察官で、1人は保安官代理だという。負傷した3人のうち、保安官代理1人が重体。
銃撃されたとみられる保安官事務所の車両
【UPDATE】2016/07/18 10:45
CBSによると、容疑者はミズーリ州カンザスシティーに住む29歳の男で、警察との銃撃戦で死亡した。この日が誕生日だったとみられる。17日午後に記者会見した警察当局者は「生き残っている狙撃犯はいない。現場で撃たれて死亡したと確信している」と述べた。
ハフポストUS版によると、東バトンルージュ保安官のシッド・ゴートロー氏は記者会見で、容疑者が警察への通報の直前に、警察との銃撃で死亡したと明らかにした。
警察官による黒人射殺で始まった負の連鎖に「個人的には、これは銃規制の問題というより、私たちの心の問題だ。国民として、人間として、ともに生き、支え合わないといけない。そうせずにこの狂気の沙汰が続くと、私たちは確実に人間として腐敗していく」と述べた。
オバマ大統領は17日、事件を受けてホワイトハウスで演説し「警察官に対する暴力は、何があっても正当化できない。これだけは声を大にして言わなければならない。警察官への攻撃は、私たちへの攻撃だ」と事件を非難した。
その上で「政治的な論戦が過熱している。今からすぐに、私たちをさらに分断する言葉の応酬ではなく、団結させる言葉を考えよう。扇動的な言葉はいらない。刺激的な言葉を控え、オープンな心が必要だ」と、冷静になるよう訴えた。
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