覆面アーティスト「バンクシー」の作風によく似た絵が東京都港区で見つかった問題で、この絵が過去に本人が監督した映画などにも登場していたことが、ハフポスト日本版の調査で分かった。
■「バンクシーの作品ではないか」と都庁に情報提供
問題の絵は、20cm四方ほどの大きさ。バンクシー作品に頻出するネズミが、傘を差してカバンを持っている。新交通システム「ゆりかもめ」日の出駅(江東区)の近くにある、都所有の防潮扉に描かれていた。
都庁の文化振興部の担当者によると、2018年12月末に「バンクシーの作品ではないか」と都民から情報提供を受けて、騒ぎになるのを避けるために、防潮扉のパネルを撤去して、倉庫に保存した。今後は、バンクシーの作品かどうか鑑定作業を進めるという。
バンクシーはイギリスのロンドンを中心に活動しているストリートアーティスト。素顔も本名も一切公開していない。2018年10月には、作品がオークションで落札された直後に、シュレッダーで自動的に裁断されたことで注目を集めていた。
■バンクシーの映画などに登場か
ネット上では2011年〜12年にも目撃報告があり、絵はこの頃にはすでに描かれていたものと考えられる。
バンクシーが監督して2010年に公開したドキュメンタリー映画「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」にも登場。iTunes Storeで配信している字幕版を確認したところ、23分39秒ごろに、バンクシーの活動を紹介するシーンで、今回発見されたものと見られるネズミの絵が映っている。
また、同年にアメリカの週刊誌「LA Weekly」の公式サイトに掲載されたバンクシーの記事では、この絵が「バンクシーのネズミ、東京 バンクシー提供」と写真が紹介されていた。
いずれも絵柄のほか、六角ビスの位置も酷似している。
現在ハフポスト日本版では、バンクシー本人に「あなたの絵ですか」と、問い合わせ中だ。