正体不明の路上芸術家、バンクシーの製作した、顔のすり替わった偽札が大英博物館に所蔵されることになった。イギリスの大手紙ガーディアンが2月1日に報じた。
■エリザベス女王がダイアナ元妃に入れ替わった偽札
所蔵されるのは、バンクシーが2004年に製作した偽札の「ダイフェイスド・テナー(Di-faced tenner)」。「ダイアナ元妃の顔をした10ポンド札」という意味があり、本来エリザベス女王の顔が描かれているはずの10ポンド札に、代わりにダイアナ元妃が印刷されている。
さらに本来の紙幣には「バンク・オブ・イングランド(イングランド銀行)」と書かれているところが「バンクシー・オブ・イングランド(イングランドのバンクシー)」とすり替わっている。
大英博物館にバンクシーの作品が所蔵されるのは初めて。BBCによると、代理人から寄贈されたという。
ガーディアンによると、当時バンクシーが効率的に偽札のコピーを製造し、誰でも同じようにコピーを作れる状況だったため、本物のバンクシー作品を手に入れるのに数年かかったという。
担当者はガーディアンの取材に対し「バンクシーの作品は当然欲しい。一風変わったバンクシー作品をコレクションの一つとして加えるチャンスだった」と話している。