支店長は忍者、窓口のお姉さんはくノ一、という百五銀行上前津支店に行ってみた

この百五銀行上前津支店(名古屋市中区大須)では、支店長は忍者、窓口のお姉さんはくの一、という話を聞き、実際のところを見に行ってきたところ......
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三重県で一番大きな銀行といえば、百五銀行。預金量4兆6千億円を越え、東海三県でも十六銀行についで2位の規模。そして「お固いお仕事」と聞いて真っ先に浮かぶのが、行政と金融機関...という中で、この百五銀行上前津支店(名古屋市中区大須)では、

支店長は忍者、窓口のお姉さんはくノ一

という話を聞き、実際のところを見に行ってきたところ・・・

確かに、窓口のお姉さんはくノ一姿!

実際に、こうして窓口で接客対応をしているスタッフは忍者姿に、くノ一なのです。

なんだか、平成27年8月3日(月)~ 平成27年8月14日(金)の2週間限定の「コスプレ」企画という事。ということで、この事情を探るべく支店長の中村浩久さんにお話を聞いてみました。

忍者姿で現れ、そして、頼んでもいないのにポーズまで取っていただいた中村支店長。

親しみわく笑顔とともに、いくつかの質問にたいしても気さくにお答えいただきました。

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1)そもそも、なぜこうした取り組みをしようと考えたんですか?

  またどのような狙いがあって?

まずは、ちょっと変わったことをして目立ちたかったという不純な動機がありますが、それはさておき、「伊勢志摩サミット」で式年遷宮以来、再び注目されている三重県。三重には伊勢志摩以外にも「ええとこがいろいろあるんやに」という発想で、あえて伊勢志摩以外のスポットを紹介しようと考えました。

また、当店は名古屋の有名スポット大須に隣接していますので、もっと名古屋の方に三重県のことを知ってもらいたいと思い企画しました。そうすることが三重県の地銀で、名古屋の中心に近いところで営業している当店の使命だと思いました。

当行は、名古屋ではアウェーの立場です。話題を作って来店客を増やそうという考えもあります。

最初に、伊賀市を選んだのは、忍者の里であったからです。忍者は外国人の認知もあり、話題性があると判断しました。また、今年のミラノ万博に伊賀市が出品したポスターもお借りし、ロビーに展示してあります。

2)実際、お客さんの反応などはどうでしょうか?

来店されたお客様の反応はよいです。「おもしろい」「お堅いイメージが変わった」「活気がある」という反応があります。

伊賀市のポスターを熱心に読まれる方もみえますし、説明を求められる方もおみえです。

また、今回は、CS面からの取組みでもあるので、そのことに関心をもったある会社さんの社員の方がかわるがわる見学にみえたりもしました。一方、来店客数に目立った変化はなく、これで特に業績は伸びておりません。少なくとも、私の知る限りでは大須界隈の話題にすらなってはおりません(苦笑)

支店のスタッフと、支店長。とりあえずみんなノリノリで、ポーズをとっていただきましたw

3)銀行というと、お固いというイメージが有ります。

  こうした取り組みは、すんなり実現できたのですか?あるいは抵抗は?

特に大きな抵抗はなく、すんなりと実現できました。当社の場合、支店運営は現場にある程度任されているので、支店長がOKすればほとんどのことができる社風があるからです。ただし、臨時の予算などは認めらないので、手づくりの低予算で運営しています。

これは余談ですが、私がこの企画を話した時銀行の内外を問わず二つの反応がありました。一つは「それ、おもしろい。ぜひ実現してください」という人。もう一つは、当惑あるいは困ったような顔される人。人数的には3対7くらいでしょうか?

4)今後、さらなる展開や狙っていることはありますか?

「三重県の魅力を発信する」というこの企画は来年の5月まで行う予定です。一応、伊勢志摩サミットを応援するという試みですので。(筆者注:伊勢志摩サミットは2016年5月26日から5月27日に開催予定)今回のディスプレイはボリューム感がやや欠けましたので、次月以降はもう少しそのあたりも改善したいと考えています。

9月以降、尾鷲・伊勢志摩・多気町...と毎月三重県内の地域にフォーカスした取り組みを計画しています。地元の地域おこしリーダーや商工会などの協力も得ていく見込みです。

とはいえ、正直今回の取組みが即、金利競争だけでない差別化につながるとは私自身は思っていません。それほど皆さまは甘くはありません。もちろん、単に忍者のコスプレがしたくてやったわけでもありません。

先にもお伝えしたとおり、三重県で育てていただいた当行の使命として今回の取組を行っています。愛知では正直アウェーの百五銀行上前津支店は暗中模索というのが正直なところですが、どんどんチャレンジをしていきたいと思います。

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お話を伺ってみると、純粋に地元・三重県の地域活性化が、「忍者・くノ一コスプレ」の背景。実際に銀行窓口にお越しになっていた方々の反応も観察をしてみると、驚きとともに好意的な反応がほとんど。これらの衣装も、伊賀の地域の方々の好意でお借りしているとか。

お金をかけずに新たなイメージの獲得や情報発信をしていく、最も堅い業界のこうした柔軟な取り組み。(以前、飛騨信用組合の取り組みを紹介しました。 【日本初・金融機関の「恋チュン」を仕掛けた飛騨信組に、突撃!】

全国の金融機関も知恵を絞って本業はきっちり取り組んでもらいながらも、こうした遊び心で柔軟な取り組みが広がればと思います。