バンコクで大気汚染が深刻化 マスク品切れ、人工雨も
タイの首都バンコクで大気汚染が深刻化している。タイ政府は空中の汚染物質を少しでも減らそうと、人工的に雨を降らせる試みを始めるなど、対策に追われている。街にはマスク姿の人が急増し、品切れになる店も続出している。
バンコクではこのところ、工場などのばい煙や自動車の排ガスなどが主な発生源となる微小粒子状物質(PM2・5)が、世界保健機関(WHO)の環境基準を大幅に超える日が続いている。乾期に入り、雨が少なくなったことなどが影響しているとみられる。
このためタイ政府は、飛行機から薬剤を空中にまいて人工的に雨を降らせる作戦を15日から始め、地上からの放水も実施。大型の工事の一時停止も指示し、工場から大気中に排出される汚染物質の検査を全国で実施する方針も明らかにした。汚染がさらにひどくなれば、学校の休校なども検討するとしている。
民間シンクタンクは、大気汚染による経済的損失が26億バーツ(約89億円)以上になると試算。健康対策にかかる費用や観光への影響を分析した。(バンコク=貝瀬秋彦)
(朝日新聞デジタル 2019年01月19日 08時48分)
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