イタリアの国会(2院制)が11月8日、サーカスで動物を使うことを禁止する法案を可決した。イギリスのタブロイド紙「デイリー・エクスプレス」の電子版などが伝えた。
サーカスで動物を出演させることは虐待にあたるなどの声が動物愛護団体から上がっており、禁止の動きが各国に広がっている。
デイリー・エクスプレスによると、イタリアには現在、約100のサーカス団体があり、約2000頭の動物が出演している。可決された法案は、段階的に動物の出演を廃止することを定めており、今後1年以内に施行されるという。
動物愛護団体「アニマルディフェンダーズ・インターナショナル(ADI)」(ロンドン)によると、法律でサーカスの動物利用を禁止するのは、イタリアを含め41カ国になったという。
サーカスで動物に芸をさせることを禁ずる動きは世界各地で広がっている。ラトビアでは6月に禁止のための改正法が成立。アメリカでは、約150年の歴史があった人気サーカス団が動物愛護団体の非難を受けてゾウの曲芸を取りやめた。それが経営に響いて5月に廃業に追い込まれた。