※記事には、裸の画像が含まれます。
(DANCERS AFTER DARK)
踊れる場所でどうして歩く? 裸で踊れるのになぜ服を着る?
それが、写真家ジョーダン・マッターの新刊「ダンサー・アフター・ダーク」のテーマではないだろうか。
マッターは「アルビン・エイリー・アメリカン・ダンス」「ダンス・シアター・オブ・ハーレム」「ジョフリー・バレエ」「マーサ・グラハム・ダンス・カンパニー」といった名門ダンススクールやバレエスクールのダンサーたちの写真を撮影した。
前書きにはこう書かれている。「2年間、私はダンサー・アフター・ダークに全てを注いできました。1週間が終わるたびに、くたくたになっていました。何百人もの素晴らしいパフォーマーたちを、様々な街や国で撮影しました。これまでの人生で、これほど創造的で得るものが多かった撮影はありません。終わってしまうのが本当に残念です」
(DANCERS AFTER DARK)
撮影は世界中で行われた。その中から、ニューヨークで撮った写真の一部をご紹介しよう。そのうちの一枚は、写真集の表紙を飾っているバレエダンサー、ミカエラ・デプリンスだ。シエラレオネで生まれ、幼い頃に両親を亡くしたデプリンスは、アメリカ人夫婦の養子となった。現在オランダ国立バレエに所属しているが、以前に住んでいたニューヨークのハーレムに帰省している時に、マッターから撮影の誘いを受けた。
デプリンスは撮影をこう振り返っている。
「午後9時にコロンバスサークルで待ち合わせ、東に向かって歩きました。私はいつもインスピレーションが降りてくるのを待ちます。この時もそうでした。7番街を通り過ぎる時、横断歩道の赤信号とタイムズスクエアのイルミネーションが私の目を捉えました。それを見て、ミカエラをこの慌ただしい通りの真ん中で撮影してはどうか、と考えたんです」
「写真を撮る完璧な瞬間を探りました。歩行者は欠かせません。だけど、ちょうど良い入り方をしていなければいけない」
そうやって撮影されたのが、上の写真だ。トウシューズのみを身につけたデプリンスが、強く、そしてどこか挑戦的な姿勢で街の真ん中に立つ。その背中に、高齢のカップルが視線を向けている。
ダンサー・アフター・ダークにおさめられた写真は、どれも強烈な印象を残す。それはダンサーたちが私たちとはどこが違う感覚で生きている、ということを伝えているのかもしれない。
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
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