「公演中止になったアーティストを支援したい」BAD HOPのクラウドファンディングに3000万円集まる

新型コロナウイルスによる経済的なダメージが広がる中、アーティストを支援する動きも出ています。
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BADHOPが立ち上げたクラウドファンディングのプロジェクトページ。
CAMPFIREより

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、多くのアーティストの公演が延期、中止になっている。経済的な損失への懸念が強まる中、ネット上では、クラウドファンディングなどでアーティストを支援する動きも出ている。

無観客ライブを実施したBAD HOP クラファンを立ち上げ

若い世代から人気の高いヒップホップグループ・BAD HOPは、3月1日に神奈川・横浜アリーナでワンマンライブを行う予定だったが、通常通りの開催は中止を余儀なくされた。

チケットは全額払い戻しの対応をとる予定だが、「いくら借金を追ってでも、無観客でもいいからライブを届けたい」という考えのもと、YouTube上でのライブ配信を決断。1日夜、無観客の横浜アリーナで本番通りにライブを行い、その模様を生配信した。

 

さらに、同日、資金調達のためクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」でプロジェクトページを公開。グッズや新アルバムなどのリターンを設定し、ファンからの支援を募り始めた。

プロジェクトページでBAD HOPのメンバーは、「皆様から頂いたご支援の声やアイディアに大きな力を頂き、本プロジェクトを立ち上げることになりました」とコメントしている。

今回、BAD HOP WORLD中止のお知らせをさせて頂いてから、多数のご支援の声を頂きました。

「クラウドファンティングの実施をして欲しい」
「チケットの払い戻しもしなくていい」
「少しでも力になれることがあれば」

皆様から頂いたご支援の声やアイディアに大きな力を頂き、本プロジェクトを立ち上げることになりました。

(BADHOPのプロジェクトページより)

ライブ中止によって生じた負債は「1億円以上」といい、まずは5000万円の調達を目指すという。

3月1日には一時サイトが繋がりにくくなるほどの反響が寄せられ、2日午前11時時点で支援総額は3000万円に達している

支援した人(パトロン)は2000人以上で、「応援しています」「YouTubeライブ、感動しました」など、多数の応援メッセージが寄せられている。

 

CAMPFIREやREADYFORが新型コロナウイルスのサポートプログラムを実施

CAMPFIREでは、2月28日から、新型コロナウイルスの影響で経済的な損失を被ったアーティストやイベント主催者、飲食店舗、宿泊施設などを対象に、サポートプログラムを開始している。

プログラムが適用されると、支援金の振り込み時にかかる手数料が12%が0%になり、決済手数料の5%のみでプロジェクトを実施できる。

同社の広報担当者によると、BADHOPのプロジェクトはこのサポートプログラムを利用した初めての取り組みという。

広報担当者は、「多くの反響があり、驚いている」と話す。

「クラウドファンディングをこういう形で使っていただいて本当にありがたいです。アーティストの方や経済的な影響を受けた方々には、この状況をしのぐためにもクラウドファンディングをぜひ活用してほしいと思います。プロジェクトを立ち上げることで、被害の状況の情報発信にも繋げてほしいです」

担当者によると、サポートプログラム導入を発表してから約60件の問い合わせがあったという。今後も審査をふまえた上でプロジェクトを順次実施していく方針だ。申し込みは公式サイトから受け付けている

また、クラウドファンディングサイト「READYFOR」でも、新型コロナウイルス感染拡大によって経済的な影響を受けた事業者を支援するプログラムを実施している。

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深刻な事態に対応すべく、クラウドファンディングやネット上でのライブ配信など、様々な取り組みが広がっている。アーティストや企業の前向きなチャレンジを応援したい。