イギリスの生後3カ月の男児がテロリストと関係があると疑われ、アメリカ大使館から呼び出しを受けた。イギリスの「ザ・ガーディアン」などが4月16日伝えた。祖父が男児のアメリカのビザ免除を申請した際、テロリストと関係があると記載ミスをしたためという。
ザ・ガーディアンによると、男児はイギリス中部のチェシャー州ポイントンに暮らすハーベイちゃん。休暇を初めて海外で過ごすことになり、アメリカのフロリダ州オーランドに行くはずだった。ところが、祖父のポールさん(62)が、ビザなしでアメリカに短期滞在するための事前手続き「電子渡航認証システム(ESTA)」でハーベイちゃんの分を入力した際、「あなたはテロ活動やスパイ行為、破壊工作、大量虐殺に関与したか、あるいはしようとしたことがありますか」との質問項目に誤って「イエス」とチェックしてしまったという。
ハーベイちゃんの渡航が拒否されたことでポールさんはミスに気づいたという。ハーベイちゃんはポールさんに連れられ、ロンドンにあるアメリカ大使館を訪問。職員から「尋問」された。往復で10時間かかり、オーランドまでの移動時間(9時間半)を超えた。
ハーベイちゃんは尋問の間、とても行儀よく、一度も泣かなかったという。「ハーベイが虐殺やスパイ行為に関与したことがないのは明白だが、おむつは大量に『破壊』してきた。だが、私はそれについて大使館では言わなかった」とポールさんは取材に答えた。また、ポールさんは当初、ハーベイちゃんにオレンジ色のつなぎを着せて行こうとしたが、大使館の職員にはユーモアのセンスがなさそうなのでやめたという。テレグラフの取材に対し、ポールさんは「ハーベイは若すぎて尋問では話すことはできなかった」と答えた。
テレグラフによると、結局、出発までに手続きは間に合わず、ハーベイちゃんと両親は遅れて休暇地に合流。この一件でポールさんは3千ポンド(約40万円)の余分な出費を余儀なくされた。「とても高くついた間違いだったが、大使館は単純ミスとして、私たちに複雑な手続きを踏ませないようにしてくれればいいものを」とポールさんは話した。
【UPDATE 2017/4/17 23:15】
当初、男児の年齢を「3歳」としていましたが、「生後3カ月」の間違いでした。訂正します。