Netflixの政治ドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』のファンにとっては、非常に馴染み深い話だろう。アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領は、自分の妻を副大統領として任命した。
メフリバン・アリエワ夫人は、2月21日、旧ソビエト連邦を構成していたアゼルバイジャンで第一副大統領に任命された。今や彼女は、次期大統領の座も見えている。
副大統領となったファーストレディーのメフリバン夫人は、アゼルバイジャンの最も有力な一族に生まれ、薬学を学び、様々な慈善団体や組織でリーダー的な役割を果たしている。メフリバン夫人が代表を務める慈善団体「ヘイダル・アリエフ財団」は、義理の父で、前アゼルバイジャン大統領の名にちなんで命名された。
内部告発サイト「ウィキリークス」が2010年に公開した、アゼルバイジャンのアメリカ大使館が発信元の外交公電によると、メフリバン夫人は2005年、アゼルバイジャンの国会議員として当選したが、国会会期中に姿を見せることは極めてまれで、それほど政治にくわしくないという。
アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領と、現副大統領のメフリバン・アリエワ氏、2016年6月。ANDREJ ISAKOVIC/GETTY IMAGES
大統領夫妻は1983年に結婚した。アゼルバイジャンは現在、人権侵害、反対派の粛清、腐敗で国際社会から強い非難を受けている。アリエフ氏は2003年に大統領の座を父親から引き継いだ。在アゼルバイジャンのアメリカ大使館の情報では、アリエフ氏はマフィアのボスだったという。
メフリバン夫人の突然の副大統領就任は物議を醸した。アリエフ氏は2016年9月に憲法を改正し、大統領の権限を拡大し、大統領としての自身の任期を5年から7年に延長し、さらに副大統領のポストを設置していたことが布石となっている。
多くの人々が、メフリバン氏の華麗な転身は『ハウス・オブ・カード』第4シーズンのあらすじに似ていると気がついた。
『ハウス・オブ・カード』では、アメリカ大統領フランク・アンダーウッドが再選を目指して出馬することになっているが、妻のクレアを副大統領に指名している。
Twitter上のフランク・アンダーウッドのパロディアカウントは21日、アリエフ氏に向かってツイートした。
大統領夫人の副大統領指名の件についてアドバイスが欲しかったら電話して！
夫婦で大統領と副大統領を務めるのは非常に珍しいことだが、前例がないわけではない。2016年、ニカラグアで大統領のダニエル・オルテガ氏が再選し、妻のロサリオ・ムリオ氏が副大統領に指名された。
アリエフ氏は新設された副大統領に夫人を任命させると発表した時、副大統領の職務について一切説明をしなかった。しかし2016年に改正されたアゼルバイジャンの憲法によると、副大統領は現大統領が任務を遂行できなくなった場合にはその権限を引き継ぐことになる。
以下の動画には、大統領夫人の副大統領任命のニュースが発表された際にスタンディング・オベーションが起こった様子が映されている。
しかし、今回の就任劇はアゼルバイジャン国民やそれ以外の人々を混乱させている。一部の批評家は、 #AutocraticRelationshipGoals （独裁体制での理想的な恋愛関係）のハッシュタグを使って不満をあらわにした。
お前のせいだぞ、@HouseofCards.
メラニア（ドナルド・トランプ夫人）が副大統領になる姿を想像してほしい。我々の大統領は自分の妻を副大統領に任命した。
今日のベストショット！
アゼルバイジャン大統領がたった今、自分の妻を副大統領に任命した。汚職と縁故主義について話そう。
これは面白い！
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
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