ドゥテルテ氏の肖像画を描く日本人女性が伝える「報道されていない顔」

ドゥテルテ大統領も「自宅に飾りたい」などと話しました。
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フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領の肖像画を描いてきた日本人画家のAYUMIさん(33)が10月11日、大統領官邸を訪れ、大統領本人に新作を贈った。ドゥテルテ氏は贈られた絵にサイン。「自宅に飾りたい」などと述べた。現地メディアの「マニラ・ブレティン」などが報じた。

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AYUMIさんは大阪生まれ。ライブペインターとして活躍し、アディダスや安室奈美恵などの様々な広告イラストを手がけている。活動範囲は日本だけにとどまらず、エジプトや韓国など海外でもライブペイントのイベントを行っている。

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AYUMIさん

AYUMIさんはハフポスト日本版の取材に対し、ドゥテルテ氏を知るきっかけになったのは、2015年にフィリピンのセブ市で開かれたライブペイントのイベントだったと話した。当時、ドゥテルテ氏はダバオ市の市長。地元の人から、「ドゥテルテ氏が市長になって以降、ダバオ市の治安がどんどん良くなった」という話を聞いたのだという。

「救急車をフィリピンで最初に導入したのはダバオ市でしたが、ドゥテルテ氏が市長になってから生まれたものです。ドゥテルテ氏が大統領になってからようやく、フィリピン全国でも24時間、無料で利用できるものになりました。

救急車は日本では当たり前ですよね。そういう当たり前のものがフィリピンにはなかった。そんなフィリピンの状況をひとつひとつ変えていたのが、ドゥテルテ氏だったんです」

それからドゥテルテ氏のことを自分でも調べ、ファンになった。大統領選に立候補するというニュースを知ると、Facebookにイラストを投稿。優しい笑みを浮かべる、ドゥテルテ氏の姿を描いた。

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「麻薬撲滅作戦など過激な言動ばかり取り上げられ、怖いイメージで報道されていましたが、弱者のことを考える温かい人だと感じました。それを表現したかったんです。報道されていない顔もあるのではないかと、訴えたかったんですね」とAYUMIさんは述べた。

この絵がドゥテルテ氏の支援サイトで紹介されると、フィリピン国内で人気に。期間限定で公開した印刷用の画像データは、1週間で5000回ダウンロードを超えた。支援イベントの背景画としても利用されたとAYUMIさんは話した。

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政治の絵を描くのは初めてだったというAYUMIさん。戸惑いもあったが、描いてみたいと思う魅力が、ドゥテルテ氏にはあったと大統領選を振り返った。

「一番心に残っているのは、私の絵を見たという若い男性から、メッセージをもらったことでした。それまで全く政治に関心がなかったというその男性は、私の絵がきっかけで、ドゥテルテ氏のことを調べてみよう思ったんだそうです。社会的なことにも、関心が持てたと長いメッセージを下さいました。

今回の大統領選で、たくさんの反響を頂きました。ドゥテルテ氏に反対するの方もいらっしゃいましたが、誰かが何かを考えるきっかけにもなったのだなと感じました。

私は、小さい頃は人前で泣くのが苦手な子供で、家で嫌なことがあっても家の中では泣けませんでした。それで、団地の屋上に1人で行って、泣きながら絵を描いたんです。絵を描くときだけが、自分を解放できる唯一の時間だったんです。夢中で絵を描いているときは嫌なことも忘れました。絵が自分を救ってくれたんです。

いつか自分の絵で、誰かを救うことができればと、心の片隅で思っていました。今回のキャンペーンでほんの少し、それができたかなと思います。私の絵や活動を通して、いつか世界の人々がもっと繋がれるようになることが、私の今の夢です」

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