アリゾナ州、歩行者死亡事故のUberに自動運転走行許可取消し措置。Uberの試験内容に問題指摘する声も

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National Transportation Safety Board (NTSB) investigators examine a self-driving Uber vehicle involved in a fatal accident in Tempe, Arizona, U.S., March 20, 2018. A women was struck and killed by the vehicle on March 18, 2018. National Transportation Safety Board/Handout via REUTERS ATTENTION EDITORS - THIS IMAGE WAS PROVIDED BY A THIRD PARTY.
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アリゾナ州は3月18日に発生したUberの自動運転車による歩行者死亡事故を受けて、州内でのUber自動運転車の走行許可を一時取り消しにしたと発表しました。アリゾナ州はここ2~3年、多くの自動車メーカーやIT企業の自動運転テストを歓迎する姿勢を示してきたことから、今回の事故が方針の転機になる可能性もありえます。

アリゾナ州知事のダグ・デュシー氏は、つい2~3週前に自動運転車の無人走行を許可する行政命令を更新したばかりでした。今回の事故では、運転席に非常時に運転を引き継いで事故を回避すべきオペレーターが搭乗していましたが、問題の瞬間、オペレーターは下を向いてなにやら見る仕草をしており、また自動運転車のセンサーも一切歩行者を検知し減速した様子がない状態だったことが、車載カメラの映像からわかっています。

SNSのコメントなどからは、"オペレーターが膝の上に何やら端末を持っていて、それをチェックしていたのだ"という声もあるるものの、世間一般にはそれを「前方不注視」や「よそ見運転」と呼ぶわけで、この点において過失があることは間違いないはずです。

ただ、自動運転車でドライバーにかわり前方を監視しているはずのLiDARをはじめとする各種センサーもまったく歩行者に反応せず、減速しないまま衝突しているのは自動運転車にとって大きな問題です。AP通信は、事故直前のUber車両は自動運転モードにあったことにくわえ、車載映像を見た"専門家"が「センサーは歩行者を検知していたはずだ」と発言したことを伝えています。

一方、New York TimesはUberの試験プログラムには指摘されるべき問題が多々あると報じました。たとえば、禁止されているはずの建設現場を含むルートを通っていたり、他社に比べオペレーターが運転を引き継がなければならない状態が明らかに多く発生していたとのこと。

デュシー知事はUber宛の書簡に「私はアリゾナで自動運転技術を運用するすべての人が公共の安全を最優先することを期待しています。3月18日に発生したこの事故は、私の期待に反していることが明らかです」と記したとWall Street Journalは伝えています。

Uberは事故発生後直ちにすべての自動運転車の試験運行を中止しました。そして「われわれは事故原因の究明に全面的に協力し、今後も州との対話を継続してゆきます」とコメントを出しています。

(2018年3月27日「Engadget 日本版」より転載)