こもたろの偏食事情-『息子は自閉症。ママのイラスト日記』(16)

自閉症の子に見られることが多い「偏食」。どうやって克服すればいい?
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こもたろの食事情について。こもたろはもっと小さいころ、色が白い食べものしか食べませんでした。いわゆる偏食です。

この偏食、自閉症児にはよく聞く話で、私が通っていた療育園にいた子では、唐揚げしか食べない子、お好み焼きしか食べない子、茶色いものしか食べない子などがいて、その偏食事情もさまざまで、その子その子によって違いました。こもたろの場合は、先に書いたように白い食べものしか食べず、白米かうどんしか受け付けませんでした。

ところが離乳食の頃からそうだったかというと実は違いまして、そこは本当に不思議なのですが、離乳食開始当初は何でも食べる子で、トマトやピーマンなどもペロリ。

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出せば完食、というように好き嫌いのない、なんて良い子なんだと褒めていたほどでした。

それが1歳半頃でしょうか。好き嫌いが出はじめた...と思っていたら、みるみる色んなものを食べなくなりました。今まで平気で食べていたトマトも一切受け付けてくれません。あれも食べてくれない、これも食べてくれない。そうやって食べてくれるものを出していたところ、お皿の中は白いものばかりであることに気付きました。

じゃこごはんに大根の煮物、白身魚、豆腐、牛乳。

何とか他のものも食べてほしかったのですが、一切受け付けませんでした。でも元気。

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白い食べもの以外食べてくれないのは仕方ないので、無理強いはせず見守ることにしました。たまに「わー!これすごく美味しい!」と興味を引くようなことは言いますが、食べるか食べないかは本人に任せました。食事=つらい、という悪いイメージだけはつけたくなかったので、そうしました。

こうしているうちに、4歳の半ばころから少しずつ色つきの食べものが食べられるようになっていきました。コーンやイクラなどを好んで食べるようになりました。

幼稚園に入園すると、クラスのお友だちから刺激を受けたようでさらに色々と食べられるものが増えてきました。週2日通っていた幼稚園はお弁当を持参するのですが、いつも同じ内容。それプラス、「食べてくれたらいいな」という気持ちを込めて、新しいおかずを一品入れていました。そんな幼稚園生活の中で、1年目の秋頃から新しく入れたおかずを食べて帰ってくるようになりました。このころから人に興味が出てきたといいますか、いつも人に背を向けていたのが自分から人に話しかけたりするようにもなったので、興味が広がっていくという点で、偏食改善も関係していたのかもしれません。

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とにかく「みんながお弁当をカラにしているから、ぼくも!」という感じで、完食して帰ってくるようになりました。

そして今、小学校では給食です。好きなものも出るし、苦手なものも出るし、食べたことがないものも出る。それでも「みんなと同じ」がいい息子は、給食を完食しているそうです。家でも特に「食べなさい」と言いつけているわけではないのですが、完食すると気持ちいいようで達成感に満ちた表情で「たべたよ!」と言ってきます。

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偏食に悩んでいたころに療育の先生に言われた言葉。「いつかは食べられるようになるんだから、焦らなくて大丈夫よ。」食事は楽しい。そういった喜びをまず伝えていくことが大切なのかもしれません。

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