消さないで-『息子は自閉症。ママのイラスト日記』(14)

子どもの幸せを決めるのは、大人じゃありません。その腕の中にいる、子ども本人です。
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療育園に通っていた頃、気の合うお母さんたち数人が集まって夜に会うことがありました。各々、子どもたちは旦那さんに預けたり、自分の親に預けたりして来ます。子どもにつきっきりで気を張ってる自分へのご褒美にと、母親たちで企画した飲み会です。

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療育園に通っているだけあって、みんなそれぞれ問題を抱えている子どもだったので、そんなに回数は開けませんでしたが、それでもその会はとても意味のあるものでした。悩み相談だったり、情報交換だったり、笑い話だったり...いろんな話をしました。

その中で、私が今でも鮮明に覚えていること。

みんなで将来について話している時、あるお母さんがぽつりぽつりと話しはじめました。

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「私ね...自分が歳をとって、身体が思うように動かなくなってきたら...我が子に手をかけるかもしれない。そして...自分も後を追う。」

一瞬、凍りつきました。なぜなら、

私 も 一 度 は 考 え た こ と だ っ た か ら 。

今でこそ、前向きにやってきていますが、やはり息子の障がいが解ったときはどん底で。ここまで落ち込むのかと思うくらいにどん底で。毎日涙は止まらないし、何もやる気はおきないし、今まで楽しかったことも全然楽しくない。

この子に将来はあるのか。私が死んだらどうなってしまうのか。人に迷惑をかけ続けて生かせていいものなのか。もしかしたら、生活する術もなく息子は野垂れ死んでしまうかもしれない。

外に出れば、息子の癇癪に周囲の人たちに腰を折って謝りつづける日々。ひどい言葉も投げかけられました。怖かった。苦しかった。哀しかった。辛かった。

「私ね...自分の身体が思うように動かなくなってきたら...我が子に手をかけるかもしれない。」

この言葉を聞いて、思わず言ってしまいました。お願いだから、そんなこと言わないで...?涙が溢れました。私がいる。みんながいる。何かあったら、ここにいるメンバーで助け合えばいい。

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そんな悲しいことは言わないで。どうかどうか、言わないで。

もしかしたら、昔の自分に言っていたのかもしれませんね。この子のためにも諦めないでって。

どうか、命だけは大切にしてください。子どもは成長し続けます。例えそれが周りの子より遅いかもしれないけれど、それでも成長しています。

「この子が不幸になる?」

「もうだめだ?」

本人がそう言ったの?

子どもの幸せを決めるのは、大人じゃありません。その腕の中にいる、子ども本人です。

キラキラ輝くその命の灯火を、

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どうか消さないで。

~続く。

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