ミャンマーの与党、国民民主連盟(NLD)は、新政権発足に合わせて党首のアウンサンスーチー氏を大統領に就任させようと模索してきたが、軍との協議に失敗したため、当面は見送る公算となった。
ミャンマー議会は3月1日、次期大統領候補の指名について予定していた3月17日から10日に前倒しすると発表、代わりの大統領を早期に選出して安定した政権移行を優先させる方針とみられる。産経ニュースなどが報じた。
憲法は外国籍の家族を持つ者の大統領就任を禁じ、息子が英国籍のスー・チー氏は就任資格がない。NLDは、この憲法条項を一時停止しスー・チー氏を大統領に指名しようと試みた。
スー・チー氏は、政治的影響力を温存する国軍のミン・アウン・フライン総司令官と先月、昨年秋の総選挙後3回目となる会談を行った。だが、国軍の利権に切り込もうとするNLDの姿勢に総司令官は反発し、憲法問題での協力取り付けに失敗したとみられる。
(スー・チー氏の大統領就任は「当面見送り」 軍との協議に失敗、早期政権発足を優先 - 産経ニュースより 2016/03/01 19:25)
NLDは2015年11月の総選挙で国会の過半数を得た。だが、ミャンマーでは長らく軍政が敷かれており、現在でも、国軍は国会議席の4分の1を持つなど強い政治権限を持っている。
朝日新聞デジタルは当局筋の話として「交渉で軍側は全国に14ある州・管区政府のうち四つについて行政トップのポストを要求。NLDが応じれば『スーチー大統領』を容認する可能性を示唆していたという。だが、交渉は妥協に至らなかった模様だ」と伝えている。
スーチー氏は、大統領に側近の党幹部を暫定的に据え、自身は外相に就任するとの見方が出ている。スーチー氏はこれまでに、大統領になれなくても自ら国を主導する考えを示している。
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