強姦致傷容疑で群馬県警に逮捕された俳優の高畑裕太容疑者(22)の母親で、女優の高畑淳子さん(61)が8月25日午前、裕太容疑者との面会のため、県警前橋署を訪れ、憔悴した様子で、報道陣のカメラに向かって「申し訳ありませんでした」と何度も頭を下げた。スポニチなどが報じた。
高畑淳子さんは、26日に記者会見を行うことが所属事務所から発表されている。
もしもこの逮捕容疑が事実ならば、被害者はもちろんのこと、テレビ局などの仕事関係者にも損害が及び、ファンも悲しませただろう。身内として、また俳優として長男を「売り込んできた」立場として、高畑淳子さんが申し訳なく思う感情を否定することはできない。
だが、スポーツ紙などでは、露骨に高畑淳子さんの「育て方」に言及し、あたかも因果関係があるように書かれた「母親バッシング」記事が相次いで報じられている。成人している息子が逮捕される事態になったことは、本当に彼女の育て方のせいなのだろうか?
■「『甘やかしすぎ』の代償…」と報じたスポーツ報知
スポーツ報知は、『高畑淳子「甘やかしすぎ」の代償…裕太容疑者強姦致傷逮捕』(2016年8月24日6時0分)という記事を報じている。
この記事の中では、高畑淳子さんが、シングルマザーとして裕太容疑者を懸命に育てあげたことを紹介しているが、その一方で
演劇関係者から「甘やかしすぎ」という声も上がっていた。
などと本文中で紹介し、見出しではあたかもそれが原因であるかのようになっている。
こうした報道に対し、Twitter上では疑問の声が次々と上がっている。
■「祖母に預けていた」と報じたデイリースポーツ
また、デイリースポーツは、『高畑淳子 裕太容疑者ら子供を祖母に「預けてた」と明かす…逮捕前収録TVで』(2016.8.24)との記事を報じている。
報知ほど因果関係に踏み込んではいないものの、シングルマザーの高畑淳子さんが「子供たちを祖母に預けて女優業を続けていた」との内容。この記事に対しても「なんの因果関係もない」との批判が寄せられている。
■「無関係と発言してもバッシング対象に」との声も
一方でフジテレビ系の「とくダネ!」では、古市憲寿氏が「高畑(淳子)さんが謝るべきではない。仕事をしていて事務所にも入って大人として活動していた。60歳超えた高畑(淳子)さんが謝るってどうなのかと思っちゃいますよね」と、コメントし、疑問を呈した。
これに対しては、「私は無関係と発言したらそれはそれでバッシングの対象になる」といった意見も。
■3割は「親の責任はずっとある」(2013年のAERAアンケート)
実際に、2013年にタレント・みのもんたさんの次男が、窃盗未遂容疑で逮捕された際に、みのさんは以下のように発言し、さらなるバッシングを招いたことが報じられている。
その後、AERAが行ったネットでのアンケートでは、3割は「親の責任はずっとある」と回答したという。このような結果からは、スポーツ紙などの報道も、こうした「世論」が背景になっていることがうかがえる。
「30歳をすぎた男は別の人格者で、あれこれとやかく言う筋合いのものではない」
「私が世間を騒がせたつもりはまったくない。私が何をやったわけでもなんでもない」
などと、自身の責任論を否定した。確かに、30歳にもなって親が責任を取る必要はない、というのは一つの正論だ。ところが、この発言がむしろ火に油を注ぐ結果となっている。
結局、親の責任の“境界線”はどこにあるのか。AERAがネットユーザー500人に対し緊急アンケートを行ったところ、みのさんに対する世間の視線は厳しいことがわかった。(中略)
さらに注目すべきは「子どもがどのレベルまで親の責任が生じるか」という質問に対して、実に3割が「ずっと責任がある」と答えていることだ。子どものやったことには多かれ少なかれ、育ててきた親に責任があるという考え方だ。
((みのもんた親の責任どこまで? ネットでは厳しい声 〈AERA〉|dot.ドット 朝日新聞出版より 2013/10/23 11:30)
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