東京都港区にある六本木ヒルズ30階のGoogleのオフィスで、11月27日午前8時55分頃、じゅうたんなどが焼けていると119番通報があった。けが人はなく、火はすぐに消し止められたが、火災に至った原因は「水晶玉」とみられる。
産経ニュースによると、焼けたじゅうたんなどの近くには水晶玉が置いてあり、警視庁麻布署は「外からの光が水晶玉に当たって一点に集中するなどした結果、発火した可能性がある」と見て調べている。読売新聞によると、事務所の窓際に、直径約15センチの水晶玉が飾られていたという。
■水晶玉で火事になるの?
水晶玉や鏡などに光が集まって発生する「収れん火災」は、高い発生率ではないものの、水晶玉のほか、ペットボトルやルーペ、金魚鉢、鏡、花瓶、ステンレスのボウル、窓に貼り付けた透明な吸盤など、思いもよらないものから発生する。NHK生活情報ブログの2013年の記事によると、1年間の発生件数は30件。過去5年間では11月と1月の冬場に数が多くなっていた。冬場は、夏と比べて太陽の位置が低く、光が部屋の奥まで入ってくるためだという。
福岡市消防局・南消防署が、虫眼鏡とガラス玉、ペットボトルの3種類で収れんによる発火実験を行ったところ、煙が出ない無炎燃焼が一番速かったのは虫眼鏡だったが、そこから発火するまで最も速かったのはペットボトルだった。ガラス玉も112秒強で発火した。
また、ペットボトルの形の違いでも発火に至るまでの時間が異なり、炭酸飲料などの円形のボトルのほうが発火までが短かった。
なお、YouTubeにはペットボトルによる収れんの様子をとらえた動画が投稿されている。