麻生太郎財務相は1月10日の閣議後記者会見で、韓国・釜山で慰安婦を象徴する少女像が新たに設置されことで中断となった日韓通貨スワップ(交換)協定の交渉再開について、「約束した話が守られないなら、貸した金も返ってくる可能性もない」と早期再開に否定的な見解を示した。テレ朝newsなどが報じた。
麻生財務大臣:「(交渉は)信頼関係で成り立っているので、約束した話が守られないなら貸した金が返ってくる可能性もないとか、スワップだって守られないかもしれないとか、色んな話になるので難しくなりますよね」(中略)
麻生大臣は、韓国側からの要請で一度は終了したスワップの再開交渉が始まった経緯について改めて強調しました。そのうえで、「信用関係ができ上がらなくなっている。難しくなっている」と話し、早期の交渉再開に難色を示しました。
(麻生大臣「約束守れないなら金も返ってこない」より 2017/01/10 12:40)
麻生氏のこの発言について、韓国の中央日報は11日、「2015年12月に締結された韓日政府間の慰安婦問題合意とその後にふくらんだ少女像問題を結びつけ、『韓国は信頼できない国』というニュアンスを強く漂わせた発言であり、波紋が予想される」などとし、 麻生氏について「妄言の前歴が少なくない」と伝えた。また朝鮮日報は10日、「麻生氏は過去に何度も、帝国主義による侵略と支配を正当化する不適切な発言で物議を醸し『妄言製造機』『失言製造機』などと呼ばれている」と反発している。
朝鮮日報によると、韓国の外交部当局者は11日、麻生氏の発言を問題視し、「責任ある政治家なら発言に慎重を期さなければならない」と遺憾の意を表明したという。
協定は、円やウォンが暴落する緊急事態に、日韓でドルなどを互いに融通できるようにして自国の通貨を守るためのもの。
日韓両政府は2001年に通貨協定を締結したが、12年に当時の李明博大統領が竹島に上陸するなどしたため日韓関係が冷え込んだ影響で徐々に縮小。協定期限を迎えた15年2月、韓国側から延長要請がなかったため終了した。
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