アシアナ機事故で「人種差別」の見出し 米紙シカゴ・サンタイムズに批判

米サンフランシスコ国際空港でアシアナ航空機が着陸に失敗した事故で、米紙がつけたある見出しが「人種差別につながる恐れ」と問題になっている…
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CHICAGO SUN-TIMES

米サンフランシスコ国際空港でアシアナ航空機が着陸に失敗した事故、米紙がつけたある見出しが「人種差別につながる」と問題になっている。

米シカゴで発行されている新聞「シカゴ・サンタイムズ」(CHICAGO SUN-TIMES)は7日付けの紙面で、「FRIGHT 214 -At Least 2 die, 181 taken to hospitals after S.F. crash-landing」という見出しでアシアナ航空機の着陸失敗事故を伝えた。なぜ、事故を起こした214便を意味する「FLIGHT」ではなく、一字違いで恐怖を意味する「FRIGHT」を使ったのだろうか。

アジア系アメリカ人のジャーナリストたちでつくるアジア系アメリカ人ジャーナリスト協会(Asian American Jounalists Association)によると、この見出しを見た読者から「『LとRの発音が苦手なアジア人』というステレオタイプを助長するもので、人種差別にもつながるのでは」という批判が寄せられているという。

事故を起こしたアシアナ航空214便は韓国の航空会社であり、乗客の半数以上が中国・韓国人。亡くなった2人の少女も中国からの搭乗客だった。アジア人が多数巻き込まれた事故ということにちなみ、編集部があえて「FLIGHT」ではなく「FRIGHT」という見出しを取ったのであり、偏見や先入観が影響しているのではないかという疑いがシカゴ・サンタイムズ紙に向けられている。

同協会が同紙のジム・カーク編集長に意図を尋ねたところ、この見出しが読者に不快感を与えるとは予想外だったという。「ステレオタイプを助長したり、悪ふざけをするというような意図はまったくなかった。我々は着陸失敗という恐ろしい事態を伝えたいと思って見出しをつけた。もし気分を害した読者がいるのならお詫びしたい」と編集長は弁解した。

アジア系アメリカ人の話題を伝えるAngry Asian Manというブログサイトでは、「本当にひどい見出しだ。ただのしゃれだという人もいるだろう。だが、アジア人が多く巻き込まれた深刻な航空事故ということを考えれば無視することはできない。LとRの発音について言葉遊びをする前に、見出しの言葉選びにもっと慎重になった方がいい」と同紙を強く非難している。

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