同サイトは「『グッチ裕三』紹介のメンチカツ屋、自身がオーナーだった 周囲からは苦情」とのタイトルで、グッチ裕三が「子どものころ、肉屋さんでメンチを売っていたからよく食べたけれど、レベルが違うな」などと、自身がオーナーであることを隠してテレビ番組で浅草メンチを賞賛していたと伝えた。
記事では、「『浅草メンチ』を経営するのは『旨いぞお』なる会社。代表にはグッチ裕三の妻が就き、グッチ裕三自身も役員に名を連ねるファミリー企業だった」としている。
この記事は11日午前、Yahooニュースにも掲載され、ネット上では「浅草メンチ」という言葉が爆発的に広まった。
Yahooの急上昇ワード
私の心を支配したのは、「浅草メンチってどんな味なんだろう?」という一念だった。グッチ裕三が経営しているかどうかはともかく、お肉に罪はない。お肉が大好きな私は、午前中の仕事をさっさと切り上げて浅草へ向かった。電車の中でもよだれが止まりません。ジュルジュル。
浅草の新名物?「浅草メンチ」とは
「浅草メンチ」とは一体どんなものなのか、私はデイリー新潮の記事が掲載された11日、東京・浅草の店に向かった。
店は浅草寺近くの「伝法院通り」沿いにあるという。浅草寺の門前にある「仲見世通り」と繋がる道だ。
火曜日の昼下がり、浅草メンチを探して街を歩く。灼熱の太陽がジリジリと照りつける。路面のアスファルトも熱を持ち、上からも下からも熱気が伝わってくる。駅を出て数分、すでに上半身は汗だくだ。
ほどなくして、伝法院通りにたどり着いた。道沿いには江戸切子や櫛、扇子などの工芸品取り扱う店のほか、衣料店、お土産店、甘味店など様々な店が軒を連ねていた。そんな中、「浅草メンチ」と書かれた小さな店構えを見つけた。このときは、デイリー新潮で指摘されているような「メンチカツを揚げる油の臭い」は特に充満していなかった。周囲には、近くの老舗天ぷら店から流れてきたと思われる、かぐわしいゴマ油の香りが漂っていた。
三社祭やほおずき市の時期には沢山の人が並んでいたようだが、この日は平日午後ということもあり、行列はみられなかった。デイリー新潮の記事では「食べ歩き客があふれ、他の店舗から苦情が出ているという」とあったが、店の前には「他店の前で食べないようご協力をお願いします」と書かれた看板が置かれていた。店舗側としても注意を呼びかけているようだ。
目玉商品の「浅草メンチ」は1個200円。お腹も空いていたのでとりあえず6個購入した。手際よく包まれる揚げたてのメンチカツ。とても美味しそうだ。店員からは「もしすぐ召し上がるなら、2軒先のイートインコーナーへどうぞ」と案内が。専用の飲食スペースもあるようだ。覗いてみると、メンチカツを頬張る人の姿がちらほらとあった。
会計時に「グッチ裕三さんのお店ですか?」と声をかけてみたが、とくに返答はなかった。
「浅草メンチ」その味は?
これが購入した「浅草メンチ」だ。
1つ200円。6個で1200円。そこそこの値段だ
1個だとこのぐらい。こぶし大よりすこし小さいぐらいか
同封されていたチラシには「浅草に『旨い新名物』」の文字
店によると、使用している肉は高座豚と牛肉のブレンドだという。まずはそのまま一口食べてみた。
中には大きめにみじん切りされた玉ねぎが混ぜ込まれていた。肉汁と玉ねぎの甘味が口に広がる。なるほど、これなら何もつけなくてもそのまま食べられる。イートインで揚げたてをそのまま頬張る人の気持ちもわかる。私も何もかけず、まずは2個を食べた。
次にソースをかけて食べてみた。
メンチカツの肉とソースがよく合う。なんというか、白いご飯が欲しくなる味だ。その反面、もともと玉ねぎの甘みを活かした味付けなので、ソースによって甘みが強くなりすぎてしまい、ややしつこさを感じた。ソースでも2個食べた。
ソースはおいしいけど、ちょっとしつこい…。というわけで、今度はしょうゆをかけて食べてみた。
うん。肉の旨味と玉ねぎの甘味が、しょうゆでうまく締まった。これはおいしい。しょうゆでも2個食べた。
結局、購入した6個のメンチカツを全て平らげた。肉々しさとボリュームもあって美味しかったが、さすがにちょっと気持ち悪くなった。
舟和の芋ようかん、梅園のあんみつ、浅草満願堂の芋きん、木村家の人形焼、神谷バーの電気ブラン…浅草には「名物」と言われるものが数多くあるが、「浅草メンチ」は今後「名物」として定着できるだろうか。
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