アメリカのトランプ大統領が地球温暖化防止の枠組み「パリ協定」からの離脱を表明したことを受けて6月1日、アメリカ企業から反発の声が相次いでいる。
アップルのティム・クックCEOは「パリ協定離脱の決定は、私たちの星にとって間違いだ」として、トランプ氏を強く批判した。
パリ協定離脱の決定は、私たちの星にとって間違いだ。アップルは気候変動に取り組むことを約束しており、決して揺らぐことはない
トランプ氏の政策助言機関のメンバーを務める電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスクCEOは、温暖化を「でっち上げ」と主張するトランプ氏を批判。助言機関のメンバーを辞任する意向を表明した。
私は大統領の政策助言機関を離れる。気候変動は現実だ。パリ(協定)を離脱することは、アメリカにとっても世界にとっても好ましくない。
マスク氏は5月31日にTwitterで、「協定の行方は分からないが、やれることはすべてやった」と投稿。離脱を決めた場合、政策助言機関のメンバーを辞任する考えを明かしていた。マスク氏はトランプ氏が1月に大統領に就任して以来、助言機関に参加していることを批判されてきた。
ウォルト・ディズニーのロバート・アイガーCEOも「道義的な理由」から、助言機関のメンバーを辞任したと表明した。
パリ協定離脱を受けて、私は大統領の諮問機関を辞任した。道義上の理由からだ。
この他にもゴールドマン・サックスやゼネラル・エレクトリック(GE)、Google、Facebookなど業種を問わず様々な企業から、パリ協定離脱に対する反対の声が出ている。
■ゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファインCEOは
今日の決定は、環境にとっても、世界において指導的立場にあるアメリカにとっても、後退となる。
■GEのジェフ・イメルトCEO
パリ協定に関する今日の決定に失望した。気候変動は現実が。いまこそ産業界は、政府に依存せず、リードしなくてはならない。
■Googleのサンダー・ピチャイCEO
今日の決定に失望した。Googleは、よりクリーンで、あらゆる人にとって繁栄した未来となるために努力し続ける。
■Facebookのマーク・ザッカーバーグCEO
パリ気候協定からの脱退は、環境に悪影響を及ぼし、経済に悪影響を及ぼし、子供の将来を危険に晒す。私たちは、私たちが構築する新しいデータセンターを、100%再生可能なエネルギーで稼働させると約束した。気候変動を止めることは、地球規模のコミュニティでしてしかできないことであり、手遅れになる前に、ともに行動しなければならない。
■Twitterのジャック・ドーシーCEO
これは連邦政府による、信じられないほど近視眼的、後退する動きだ。 私たちはこの星に共に住んでおり、共に働く必要がある。