新型コロナウイルスの感染者が世界で最も多いアメリカ。多くの人が公共の場でマスクを着用している一方で、マスクに強く反対している人たちもいる。
アメリカ・フロリダ州フォートローダーデールでは、マスク反対派が集団で大型小売店・ターゲットの店内を練り歩き、マスク着用に抗議した。
動画には、抗議デモ参加者たちが他の客たちに「マスクを外せ」と大声で叫んでいる様子がうつる。
自分たちもマスクを着用しておらず、中にはトランプ大統領の選挙スローガン「MAGA(アメリカを再び素晴らしい国に)」と書かれた帽子をかぶっている人もいる。
この抗議活動の様子をFacebookライブで中継した参加者の一人クリスティーナ・ゴメス氏は、「もし赤ちゃんがマスクをつけなくていいのだったら、誰もマスクをつけなくてもいいはず」と動画で呼びかけている。
さらに「マスクをつけてない私たちを見て『一体何事だ』と、まるで私たちがおかしいかのように見ている人たちがいるけれど、むしろそれがおかしいと思いませんか?マスクをつけている人の方が私はおかしいと思う」と抗議する。
別の参加者ネイサン・ボブコック氏は、「自分たちにはマスクを着用しなくていい権利がある」とハフポストUS版に語る。
「私たちには、やりたいことをやる権利がある。マスクが健康だと考えてマスクをしたいのであれば、それは完全にその人の権利なんだからそうすればいい。だけど他の人に押し付けないで欲しい。マスクをしないのが私の権利だ」
ボブコック氏はさらに、市庁舎が閉まっていて自分の声を伝える場所がなかったので抗議に加わったと説明する。
「(マスク着用義務について)私たちには声をあげる場所がありません。だから私たちは集まって、外出禁止に抗議しないといけないんです」
ボブコック氏は抗議活動は成功だと考えており、似たようなイベントへの参加を考えているという。
これまでもマスク着用に反対してきた
ターゲットのような小売チェーンの多くは、買い物客にマスクやフェイスカバーの着用を求めている。ターゲットの場合、持病でマスクがつけられない人や幼い子どもは例外で、必要な人には使い捨てマスクを提供しているという。
ターゲットの広報担当者はハフポストUS版に、店内で抗議活動をして他の客への迷惑行為をしたマスク反対者たちには退店を求めた、と説明した。
抗議活動に参加したゴメス氏は、これまでもマスク着用に反対してきた。
6月にはフロリダ州パームビーチ郡の郡政委員会で、マスク着用を求める委員や医師たちを次のように強い言葉で批判した。
「マスクが誰かを殺しているということを知りながら、誰かにマスクを着用を義務化する権利はあなたたちにはありません」
「悪魔の法律に従っているあなた方一人一人は逮捕されるでしょう。そして医者のあなたは、人道に対する罪で逮捕されるでしょう」
アメリカでは現在、34の州とコロンビア特別区で、公共の場でのマスクやフェイスカバーの着用が義務化されている。フロリダ州は含まれていないが、同州のいくつかの自治体はマスク着用を義務化している。
アメリカの新型コロナウイルスによる死者数は約20万人で、そのうち1万2700万人以上がフロリダ州だ。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。