真夜中に街に現れ、ネズミのための小さな小さな建物をこっそり設置する秘密結社が存在する。
スウェーデン南部の街マルメを拠点にするその団体は、アノニマウス。建物だけではなく、彼らは美しく精密に仕上げられたネズミサイズの日常品も作る。
彼らの手にかかれば、人間用のマッチ箱が机に、切手は絵画に生まれ変わる。
アノニマウスはこれまでに、25個の作品をスウェーデンやフランス、マン島の街に設置してきた。
そのほとんどが地下室の窓。こちらは、小さな理容室だ。
レコードショップもある。
ディズニーランドではなくネズミーランド?
思わずのぞきたくなるアンティークショップ。
本屋の本棚には、小さな本がいっぱい詰まっている。
お城まで!
アノニマウスのメンバーはハフポストUS版のメールインタビューに、「活動の隠れた意味はありません」と説明する。
「私たちはそれよりも、子どもの頃に自分自身が夢中になったような何かを、やりたいと思ったんです」
どうやって作品を作っているの?
アノニマウスは2016年、作家のベアトリクス・ポターとアストリッド・リンドグレーン、そしてウォルト・ディズニーとドン・ブルースの映画に影響を受けた2人のアーティストが立ち上げた。スタートしてすぐにメンバーが増えた。
アノニマウスのメンバーは日中は別の仕事をしており、匿名で活動している。
木工作業が得意な人、絵を描くのが得意な人、グラフィックデザインが得意な人といったように得意分野が異なるので、作業は分担しているという。
「良く見てみると、同じクリエイターによって作られているパーツがあることがわかると思います」と説明する。
それぞれのパーツにかかる時間も異なる。グループがスタートしたばかりの頃はデザインから完成まで3カ月かかったが、今ではそれに比べると“比較的”早くなったという。
アノニマウスのファンにとっての楽しみは、作品探しだろう。ソーシャルメディアに投稿された写真の背景などを手がかりに、作品を探す。
アノニマウスのメンバーにとっても、人々が作品を探してくれることが喜びとなっている。
「すごく嬉しいのは、多くの人が腰をかがめて私たちの作品をいつも探してくれることです。特に知らない人たち同士が会話を始めると、とても嬉しく感じます」と綴る。
その一方で「作品が“可愛すぎて”設置の意図が理解できない」と不満を持つ人もいるという。
また、過去に一人の女性から「住んでいる通りにお店ができたことで騒がしくなり、引っ越さざるを得ない」と苦情を言われたと明かす。
「私たちは、私たちの作ったお店による騒ぎはそれほど長く続かないと答えました、引っ越さなくてもいい結果になっていれば良いのですが」
これまでに作った作品のうち、5つが破壊された。しかし、グループは気にしていない。
「私たちは、破壊した一人のことを気にするより、むしろ作品を楽しみ、喜んでくれる大勢のことをいつも考えています」
アノニマウスがこっそり夜中に設置した、可愛らしい建物をもっと見てみよう。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。