生放送中に殺害されたリポーターの父親、銃規制を訴えて身の危険を感じる

「今回ばかりは、いつもとは違うと期待しています」とパーカーさんは述べた。

アメリカ南部バージニア州モネータで8月26日にテレビ生放送中に起きた発砲事件で、殺害された地元テレビ局「WDBJ」のリポーター、アリソン・パーカーさん(24) の父アンディさんは28日、政治家に「適切な」銃規制法を法制化することを再び要求した。アンディさんは「これは私にとってとても大切な目標です。たとえ自分の命が危険に晒されることがあっても、進んで活動家になる」と述べた。

「ご存知のように、メディアに登場してこの問題を取り上げると、私の発言に異議を差し挟む人がたくさんいます」と、アンディさんは28日午後の記者会見で述べた。

アンディさんは銃を持っていないが、自分の身を守るため銃を購入する可能性に言及した。今のところ脅迫は受けていないが、「危ない橋は渡りたくない」という。

「私は銃を所有していません。我が家に銃はありません」とアンディさんは述べた。「おそらく私は銃を手に入れることになるでしょう。悲しいことですが……残念ながら、これが私たちの暮らしている世界なのです」

アリソン・パーカーさんと同僚カメラマンのアダム・ウォード(27)さんは、26日朝、バージニア州の地元テレビ局「WDBJ」の生放送中に射殺された。同局の勤務歴があったベスター・リー・フラナガン容疑者は、その銃撃現場を撮影し、ソーシャルメディアに投稿していた。容疑者は警察の追跡後、自殺した。

娘を失った直後から、パーカーさんは銃器の使用を規制するよう政治家に強く主張し始めた。27日、パーカーさんは、「銃規制のジョン・ウォルシュになってもよい」と述べた。ジョン・ウォルシュとは、犯罪者追跡番組「アメリカズ・モスト・ウォンテッド」の司会者で、1981年に自分の息子が殺害された後、犯罪被害者の権利擁護者となった人物だ。

28日の記者会見では、パーカーさんはメディアにも行動を起こすことを求めた。

「今回ばかりは、いつもとは違うと期待しています」とパーカーさんは述べた。「殺された娘はあなたたちなのです。あなたたちが犠牲者になったかもしれないのです。 だからみなさんは、この声を報道するべきなのです。そして私たちは全米ライフル協会(NRA)を恐れず、政治家に圧力を加え続けるべきなのです。

今は銃規制反対派に圧力を掛け、従わせる時です。私たちが出来ることなら何でもして、彼らの面目を潰す時なのです」

フラナガン容疑者は銃購入の素行調査に合格し、7月バージニア州の連邦認可業者から拳銃2丁を合法的に購入していた。記者会見でパーカーさんは銃規制改革をシートベルトの着用にたとえ、素行調査の厳格化とその他の規制だけでは100パーセント人を守ることはできないが、最初の段階としてはまずまずだと主張した。

「私はバージニア州議会に行きたい。そして議員に、ちゃんと私の目を見てもらいたい。なぜ私たちは適切な提案をしないのか、適切な素行調査をしないのかを、議員たちに訴えたいのです」と述べた。「いいですか。常識でわかることでしょう。議員にちゃんと私の目を見てもらいたい。そしてなぜこれを支持しないのかと言いたいのです」

パーカーさんは、バージニア州テリー・マコーリフ知事(民主党)が今回の事件でとった対応を賞賛した。マコーリフ知事は、自分に電話した初めての公人だったという。バージニア州選出の2人の上院議員、ティム・ケイン (民主党) と マーク・ウォーナー (民主党)議員は、弔意を示す声明を出したが、パーカーさんへの連絡はなかった。

ウォーナー議員の代理人ケビン・ホール氏は28日午後、議員が電話し、パーカーさんにメッセージを残した。しかし彼らはまだパーカーさんと連絡が取ることができていない。

「ウォーナー議員はパーカー氏と旧知の間柄で、想像を絶する悲しみの渦中におられるご家族のプライバシーを尊重したかったのです」とホール氏は述べた。

ケイン議員の代理人エイミー・ダッドリー氏は、議員は銃撃事件で悲しみに打ちひしがれていると述べた。

「ケイン上院議員は、悲しみに暮れておられるこの困難な時期に、そっとしておいて欲しい、干渉されたくない、という被害者ご家族のお気持ちを尊重して、まだ連絡を控えています」とダッドリー氏は述べた。「適切な時がくれば、議員はご家族とバージニア州の全住民と共に働くことを待ち望んでいるようです。銃による暴力事件を減らし、そのような悲劇がバージニア州と全米で発生しないように、法律を厳格化することを、誰もが望んでいるのです」

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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