アンデス山脈のペニテンテス
Credit: William Stevenson / Getty Images
探査機ニューホライズンズによる観測から、冥王星の表面にさまざまな地形があることが明らかになっている。こうした地形の中で最も興味深いのは、この準惑星のタルタロス・ドルサ(Tartarus Dorsa)領域の「剣状」地形である。
地球のアンデス山脈などの山岳地帯の高地で見られる、ニエベス・ペニテンテス(nieves penitentes;あるいは単にペニテンテス)と呼ばれる硬くて細長い雪の形成物のような類似構造との比較に基づいて、冥王星のこうした地形を形成し得る起源がいくつか提案されている。
J Mooresたちは今回、ペニテンテスが深くなることで、タルタロス・ドルサの地形において観測された三方向の配向と間隔が再現されたとするシミュレーション結果を報告している。
冥王星のペニテンテスは現在、1軌道周期ごとに約1cm深くなり、成長するのは気圧の高い期間のみであることから、その形成時間スケールは数千万年と示唆される。
Nature541, 7636
2017年1月12日
原著論文:
doi:10.1038/nature20779
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