穴水町立図書館、寄贈本1878冊を廃棄 町教委は一部反論「芥川龍之介全集はある」

石川県の穴水町立図書館が、地元の考古学研究者から寄贈された専門書など1878冊を誤って廃棄していたとして、町教委は寄贈者に謝罪し、町の広報紙にお詫びの文章を掲載した。
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石川県の穴水(あなみず)町立図書館が、地元の考古学研究者から寄贈された専門書など1878冊を誤って廃棄していたとして、町教委は寄贈者に謝罪し、町の広報紙にお詫びの文章を掲載した。芥川龍之介全集の初版本も廃棄されたと一部で報道されたが、町教委によると現存しているという。

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穴水町立図書館が入居する「さわやか交流館プルート」

■寄贈本のうち約9割を廃棄

2005年以降、漆器や民俗学の研究者で輪島漆芸美術館館長の四柳嘉章(かしょう)さんから、妻の英子さんと連名で2179冊が同図書館に寄贈された。

しかし2007年の能登半島地震で図書館が大きな被害を受けたため、町は全ての図書を役場の倉庫などに移した。これを新しい図書館に引き継ぐまでの間に、町は寄贈された図書のうち9割に当たる1878冊を「利用頻度が低い」「スペースが足りない」などの理由から廃棄した。

町は四柳さんに謝罪するとともに、「広報あなみず」2016年9月号で教育長と図書館長の連名で「このようなことは誠に申し訳なく、二度とあってはならないことと深く反省し、四柳嘉章・英子様に対し、心から深くお詫びを申し上げる次第であります」とお詫びを掲載した。

■「芥川龍之介全集は現存」と町教委

NHKニュースによると、四柳さんは、廃棄された図書の中には日本民俗学会の会員しか購入できない会報や、亡くなった妻が所有していた「芥川龍之介全集」の初版本など今では入手が困難なものも含まれていたと説明した。

一方、町教委はハフポスト日本版の電話取材に対し「学会の会報については廃棄してしまったが、芥川龍之介全集は現存している。今後は寄贈本を廃棄する際には寄贈者に連絡を取るようにしたい」とコメントしている。

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