来年春に増える羽田空港の国際線発着枠について、国土交通省は、JALよりもANAに多く配分する方針を固めた。「日本航空は経営再建の過程で公的資金による支援を受け、優遇されている」という指摘に配慮した形だ。NHKニュースが報じた。
日本の航空会社に割り当てられる発着枠をめぐり、JALとANAが対立していた。
対象となるのは、来年3月末に拡大する国際線発着枠の午前6時台〜午前10時間台の「昼間時間帯」。イギリスやドイツなど欧州主要路線と中国、インドネシアなどのアジア新興国路線が、一日あたり40往復分増える予定だ。
航空交渉の終わっていない米国便を除く約16便分について、航空行政の判断が両者の収益力や国際競争力に影響するため注目が集まっていたが、国土交通省はANAに優先配分する結論を出した。
国土交通省は全日空に11往復分、日本航空に5往復分を割り当てる方針を固めました。
(NHKニュース「羽田発着枠を全日空に多く配分 国交省」より 2013/10/02)
ANAの伊藤信一郎社長は8月の会見で「できれば全て欲しいと申し上げている」とし、JALの公的支援を受けた再建によって生じた競争力の格差や法人税の違いを、今回の羽田発着枠を調整することで是正してほしいと主張してきた。
JALは、破たんから再上場に至るまで「通常の手続きをふんできた」と主張。2010年1月に会社更生手続きを申請後、不採算路線からの撤退や人員削減など構造改革を実施し、企業価値を高める努力をしてきたという思いがあったようだ。
国土交通省は、発着枠のほかに、ドイツ、カナダ便についてもANAを優先する配慮を見せた。
国交省は「公的支援で競争環境が不適切にゆがめられてはならない」として、ドイツ行き2便とカナダ行き1便を全て全日空に割り当てるなど優先配分する。
(MSN産経ニュース「羽田国際線発着枠 全日空に優先配分 国交省方針」より 2013/10/02)
※今回のANAに配慮した羽田空港の発着枠の配分について、どう思いますか? 羽田空港の国際線発着枠の拡大について、どう思いますか? あなたのご意見お聞かせください。
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