ウクライナの首都キーウ近郊のアントノフ空港に駐機していた世界最大の貨物機「An-225ムリーヤ」の無残な姿を映した動画が、SNS上で注目を集めている。
地元メディア「キーウ・ポスト」の記者が「彼らが世界最大の貨物機に何をしたかを見てください」と5月6日にTwitterに、ムリーヤの現在の姿を映した動画を投稿した。わずか12時間ほどで約20万回も再生されている。
2月下旬のロシア軍の攻撃を受けて破壊されたものとみられ、ジェットエンジンは地面に落ち、胴体も折れて部品が散乱している様子が確認できる。
■ウクライナのシンボルだった貨物機
この貨物機は、もともとソ連版のスペースシャトルとして知られる「ブラン」を輸送するためにアントノフ設計局が開発した。
完成したのは1機のみで、1988年に初飛行。旧ソ連崩壊後は、その巨大さを生かしてアントノフ航空が貨物機として運用するようになり、ウクライナ語で「夢・希望」を意味する「ムリーヤ」と名付けられて、ウクライナのシンボルとなっていた。