デリバリープロバイダとは? Amazonの配送に「指定日に荷物届かない」といった不満続出、背景にあるのは...

Amazonの配送『デリバリープロバイダ』に対して、「荷物が指定日に届かない」「商品が届いていないのに配達完了になっていた」といった不満の声が続出している。
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Amazon.com's logo is seen at Amazon Japan's office building in Tokyo, Japan, August 8, 2016. REUTERS/Kim Kyung-Hoon
Kim Kyung Hoon / Reuters

6月下旬ごろから、一部のAmazon利用者から「荷物が指定日に届かない」「商品が届いていないのに配達完了になっていた」といった不満の声が続出している。特に配送業者が「デリバリープロバイダ」の場合に見られるケースだという。

■デリバリープロバイダとは?

デリバリープロバイダとは、Amazonの日本法人「アマゾンジャパン」が提携する地域限定の配送業者5社の総称。「デリバリープロバイダ」という名称の業者が存在するわけではない。各地域で配送を担う会社に配送業務を委託するという内容で、Amazonの本国アメリカでもロサンゼルス、サンディエゴ、シカゴといった地域でデリバリープロバイダに対応している

Amazonのサイトによると、物流サービス業者のTMG、SBS即配サポート、札幌通運、ファイズ、丸和運輸機関の5社がデリバリープロバイダに参画し、実際に配送を行っている。

Twitterなどネット上には、このデリバリープロバイダ経由の配達に関して、配達予定日に荷物がこないといった不満の声が挙がっている。Amazonでは利用者がサイト上で商品の配送状況を確認できるが、「追跡情報は当てにならない」というコメントもあった。

ハフポスト日本版では、Amazon利用者の一部から批判の声が寄せられていることに対してデリバリープロバイダの提携業者の数社に問い合わせたが、「業務委託している会社は契約上問い合わせには受けられない」との回答だった。

■ヤマト運輸による当日配送サービス撤退や料金値上げ交渉が影響?

デリバリープロバイダをめぐる不満の背景には、アマゾンジャパンの主要取引先であるヤマト運輸がサービスの見直しを進めていることが影響しているとみられる。同社は、ネット通販の増加を受けて、当日配送サービスから撤退する方針を固め、アマゾン側と配送料金の値上げ交渉をしている。

ヤマト運輸は、ネット通販の増加により、2016年度の配達量が過去最高の18億個を更新。ドライバーの数が追いつかず、長時間労働も問題となっている。毎日新聞などによると、ヤマト運輸は今後当日の配達の引き受けを徐々に減らす方針で、将来的にはなくす方向だという。

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サービス見直しの一環として、ヤマト運輸は6月から「正午から午後2時」の時間帯指定の配達を取りやめた。また、「20時から21時」の時間指定を「19時から21時」に変更した。

■「便利なのはAmazonではなく...」

これまでAmazonは、「当日お急ぎ便」や1時間で商品を届ける「Prime Now」(一部エリア限定)といったサービスを提供してきた。

しかし、デリバリープロバイダによる配送に一部のユーザーから不満が募っている状況を受けて、「便利なのはAmazonではなく既存の大手配送業者のおかげ」と実感したという声や、「今までが異常に便利すぎただけで、仕事量や人員のことを考えたら至って全うでは?」といった意見もネット上では広がっている。

アマゾンジャパンの広報担当者はハフポスト日本版の取材に対し、デリバリープロバイダ利用者の一部から不満の声が挙がっていることは把握しているとコメントした。今後の対策については、「配送パートナーと協議しながら、お客様に最高のサービスを提供できるよう努力を継続してまいります」とした。