将棋の名人戦の第5局が5月31日、山形県天童市内のホテルで開かれ、挑戦者の佐藤天彦(さとう・あまひこ)八段が羽生善治名人に100手で勝ち、4勝1敗で初の名人位を獲得した。朝日新聞デジタルなどが報じた。
実力制名人戦になって13人目の名人。28歳4カ月での初獲得は、谷川浩司さん(21歳2カ月)、羽生さん(23歳8カ月)、中原誠さん(24歳9カ月)に次ぐ史上4番目の若さとなる。20代での名人就位は、2000年の丸山忠久さん以来、16年ぶりとなる。
NHKニュースによると佐藤さんは対局後、「まだ決まったばかりで実感が湧いていません。これからも挑戦する気持ちを忘れず、偉大な先生方に少しでも近づきたいです」と話していたという。
■ニックネームは「貴族」
佐藤さんは福岡市出身。毎日新聞によると、5歳の時、母親が買ってくれた入門書で将棋を覚えた。福岡市内の将棋道場に通って腕を上げた。2006年に18歳でプロになり、順位戦を勝ち上がってきた。
佐藤さんの師匠の中田功七段(48)は、名人18期の大山康晴十五世名人門下だった。佐藤さん自身は大山十五世名人の孫弟子にあたる。関西奨励会時代から渡辺明竜王(32)ら東京の若手とインターネット対局で研さんを積んだ。
棋士には珍しくファッションに関心が高く、クラシック音楽好き。付いたニックネームが「貴族」だという。
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