一体これはどういうことなんだろう?
8年ほど前から、宇宙からで発せられている奇妙な電波信号に天文学者たちを頭を悩ませてきた。そして新研究がこの電波信号の謎が一段と深まったのだ。
天文学者たちを悩ませてきたのは、千分の一秒単位でしかシグナルが検出されない謎の電波「高速電波バースト」。最新の研究によって、この高速電波バーストが、特定のパターンに従って発生していることがわかったのだ。これは研究に携わった学者たちでさえ説明をするのが難しい現象だという。
この高速電波バーストを調べたのはドイツのノイキルヒェン=フインにあるデータ解析研究所の科学者、ミヒャエル・ヒプケ氏とその同僚たち。彼らは、2007年以降に観察された、11回の高速電波バーストを解析した。最も最近のものは2014年5月にオーストラリアのパークス電波望遠鏡がとらえた高速電波バーストだ。研究はオンライン研究データベース「arXiv」に2015年3月30日付で投稿された。
オーストラリアのパークス電波望遠鏡
研究者たちが着目したのは「分散度」だ。分散度とは高速電波バーストの「高周波」と「低周波」が地球に届く時間差を表す。低周波は宇宙塵が漂う宇宙空間を通るときに時間がかかり、高周波よりも地球への到達が遅れるため、二つの検出には時間差が生じるのだ。
そして驚くべきことに、この時間差を解析した結果、高速電波バーストの分散度が、187.5の倍数になっていたのだ。
こうした規則性は「超新星爆発のような現象では起こりにくい」と、ヒプケ氏はハフポストUS版へのメールで説明する。「超新星が爆発した場合、すべての周波数が同時に超新星を出発します。分散度は宇宙塵の中を通過することで生じますが、宇宙塵の量は一定ではないので、分散度は不規則になるはずです」
またヒプケ氏は「これはとても興味深い現象です。今まで知られていなかった物理現象かもしれません。もしくは、もし他のすべての可能性が排除できればの話ですが、E.T.のような地球外生物である可能性もあります」と、ニュー・サイエンティスト誌に語っている。
つまり高速電波バーストが異星人からの信号だということだろうか?簡単には信じられない話かもしれないが、地球外知的生命を探すプロジェクト「地球外知的生命体探査(SETI)」に参加する科学者の1人は、異星人の可能性を最初から無視すべきではないとハフポストUS版にメールで述べている。
「この高速電波バーストは、別世界から送られた“モーニングコール”なのかもしれません。つまり、別世界の誰かが、他に無線技術を使っている知的生命体からの反応を得ようとして発信しているということです」と説明するのはSETI調査センターの上級天文学者のセス・ショスタク博士(ちなみに博士は今回の研究には参加していない)。「しかし、自然に起きた天体物理現象である可能性ももちろんあります」
ヒプケ氏も、高速電波バーストは、地球上から発信されている可能性もあるという。高周波の後に低周波の電波を発するようなもの、たとえば携帯電話の基地局のようものから発せられる電波なのかもしれない。しかし、もしそうではないとしたら...宇宙空間にある未知の物体から送られて来ている可能性もありえる。そう、E.T.たちからのメッセージかもしれないということだ。
いずれにしても、まだ謎につつまれているこの電波の続報が待たれる。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:水書健司、合原弘子/ガリレオ]
【関連記事】
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています。
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー