東京オリンピックで浸透狙う ”中国ITの巨人”。初手は成田空港の一等地

クラウド技術をアーティストに提供し、作品を制作してもらうことに。完成した映像作品は...

日本の空の玄関口を、中国ITの巨人が彩る。

中国EC(通販)最大手・アリババグループは1月16日、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、デジタル化した日本のアーティストの作品を成田空港で展示すると発表した。

大規模なデータを処理できるクラウド技術をアリババが提供することで、アーティストは大量の画像や動画データなどを活用して作品制作ができるという。アリババとしては、自社のクラウド技術を日本でアピールする狙いがある。

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アリババ董本洪(クリス・タン)CMO(右)
Fumiya Takahashi

■スペシャル・ウェルカムに

アリババは「タオバオ」などの通販プラットフォームを運営する中国・杭州市の企業。

今回の展示はアリババグループが成田空港と提携して行う。日本のアーティストはクラウド上で映像作品を製作するなどし、成田空港の到着エリアの通路で放映する。

会見では、展示に参加する日本のアーティストの作品が放映され、このうち木之内憲子さんの映像作品では、色鮮やかな画面の上で魚や蝶が優雅に動き回っていた。

会見に出席したアリババグループの董本洪(クリス・タン)最高マーケティング責任者は「国際空港では初のクラウド活用ギャラリーだ。ユニークな体験で、東京を訪れる人たちのスペシャル・ウェルカムにしたい」と意気込みを語った。

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董本洪(クリス・タン)CMO
Fumiya Takahashi

展示は2020年3月から2021年3月末まで。成田空港第1ターミナルと第2ターミナルの到着エリア、9つの通路で実施される。

■なぜアリババが?

アリババは、2017年に国際オリンピック委員会(IOC)と2028年までのパートナーシップ契約を締結し、最高位のスポンサーであることを示すワールドワイド・オリンピックパートナーの地位を獲得している。

このためアリババはクラウド業務を独占的に請け負うことができる。今回の展示は、東京オリンピックに向けてアリババのクラウド技術を日本でアピールするための第一歩目という位置付け。

オリンピック期間中は、クラウド技術を活用し3Dで選手の動作を解析できるサービスなどを提供することにしている。