映画『ウェディング・シンガー』や『パルプ・フィクション』に出演したトランスジェンダーの俳優アレクシス・アークエットが死去した。47際だった。9月11日、アメリカの芸能ニュースサイト「TMZ」が最初に報じた。兄のリッチモンドは代理人を通じ、「People」誌に報道を認めた。
「People」誌によると、死因はAIDS(後天性免疫不全症候群)に関連する合併症だったという。
リッチモンドはFacebookで声明を発表し、アレクシスの死を伝えた(アレクシスは女性として存在したが、声明の中では男性代名詞で語られている)。
「彼はきょうだい全員、姪、数人の親しい人たちに囲まれていました。私たちは彼のために音楽をかけていました。そして、デヴィッド・ボウイの『スターマン』が流れているときに息を引き取ったのです」と、リッチモンドは記した。「彼の希望通り、私たちは彼が別の世界へ旅立った瞬間を喜びました」
声明は次のように続いている。「彼は自分の思うがままの人生を送りましたが、死ぬ時も同じでした。苦しむことなく、すぐに息を引き取ったことに深く感謝しています。それはとても感動的でした。私は彼が旅立つときに、一緒にいられたことを謙虚に受け止め、感謝しています。ありがとう、アレクシス。愛してるよ。いつも、そしていつまでも」
アレクシスの姉で俳優仲間でもあるパトリシア・アークエットはTwitterで「弟」に哀悼の意を表した。
『スターマン』を歌いながら旅立った。
最高の友へ - 『コズミック・ダンサー』
弟デビッド・アークエットもまた、SNSでアレクシスの死について書いた。
みなさんの愛とアレクシスへの優しい言葉をありがとう。僕のヒーローは永遠です。
アレクシスは、ロバート・アークエットとして生を受け、12歳のときに演技の道を歩み始めた(彼女の兄弟姉妹もみな著名な俳優で、2人の姉ロザンナとパトリシア、兄のリッチモンド、そして弟デビッドがいる)。彼女は『チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁』や『二十日鼠と人間』に出演、『ウェディング・シンガー』ではカルチャークラブのボーカリスト、ボーイ・ジョージ役を務めたことで有名になった。
アレクシスは2006年にトランスジェンダーであることを公表、2007年にアレクシスの性適合を描いたドキュメンタリー映画『Alexis Arquette: She’s My Brother』を発表した。しかし、タレントのクロエ・カーダシアンのインタビューでは、弟のデビッドがアレクシスは「性別不詳」と話した。クロエの義父で、オリンピック金メダリストのケイトリン・ジェンナーがトランスジェンダーを告白した後のことだった。
最近では、アレクシスは2014年に映画『子連れじゃダメかしら?』に出演し、ドリュー・バリモア、アダム・サンドラーらと共演している。
アレクシス死去の報道を受け、ボーイ・ジョージはTwitterでアレクシスを追悼した。
僕のシスター、アレクシス・アークエット、安らかにお眠りください。また明るい光がすぐに消えてしまいました。アレクシスの家族、そしてアレクシスを愛したすべての人々に愛を送ります。
さらに、LGBTQコミュニティのメンバーGLAAD(中傷と闘うゲイ&レズビアン同盟)と、ハリウッドの俳優たちもオンラインで哀悼の言葉を述べた。
アークエット一家にお悔やみ申し上げます。
アレクシス・アークエット、安らかにお眠りください。トランスジェンダー界は今日、象徴的存在を失いました。
ラディカルで強烈な人物の死の知らせを聞いて、とても悲しいです。
友人であるアレクシス・アークエット、安らかにお眠りください。遺族に愛と哀悼の意を表します。
運よくアレクシスを知った人たちに心から悲しみを感じています。
私たちはあなたを永遠に愛し、忘れることはないでしょう。
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
▼画像集が開きます