川崎市川崎区にある認可外”幼稚園”「A.L.C.貝塚学院」が3月26日、破産と閉園を保護者に突然通告し、動揺が広がっている。ハフポストの取材に対し、ある保護者は「娘の居場所がなくなること、私の仕事が続けられないかもしれないこと、本当に困っています」と窮状を訴えている。
川崎市や保護者によると、園から突然の通告があったのは3月26日夜。前日に卒園式を終えたばかりで、既に来年度の授業料も振り込まれた後だった。また、職員にも同日まで知らされていなかったという。
「A.L.C.貝塚学院」は、学校教育法に定められた「幼稚園」の定義に当てはまらないため、行政では「幼稚園類似施設」あるいは「幼児園」の名前で位置づけられている。
園から保護者に送られたメールでは「認可幼稚園無償化の影響を受けた」ことも、事業が継続できなくなった原因と記されている。
また、関係者に送られた別の通知によると、「少子高齢化による入園児数の減少で運営は厳しい状況になっていた」ところに、無償化が追い打ちをかけたと説明されている。また、月内に破産の手続きをするとしている。
運営しているのは有限会社アメリカン・ラングエイジ・センター。同園の通知文書によると1976年創業という老舗の施設だ。英語や幼児教育に力を入れている大規模な園で、この保護者によると、現在300人近くが通っている。
延長保育で子どもを午後6時まで預かっていることから、待機児童問題によって保育園に入れず、やむなく通わせている親も多いという。
突然の閉園について、同市こどもみらい局子育て推進部の担当者は「保護者の問い合わせで事実は把握しているが学校教育法上の『幼稚園』ではないため、園についての情報はまだ得られていない」という。
ハフポストの取材に応じた保護者は、現在4歳の長女を園に通わせており、突然の閉園通告を受けて戸惑っている。来年度の月謝なども支払い済みで「このタイミングでの通知はおかしいのではないか」とも。
現在の仕事を続けるために、27日朝から近隣の幼稚園にも問い合わせをしているが、どこも空きがなく、現在まで行き場は見つかっていないという。