第151回芥川賞・直木賞の選考会(日本文学振興会主催)が7月17日、東京で開かれ、芥川賞に柴崎友香(しばさきともか)さん(40)の「春の庭」(文学界6月号)、直木賞に黒川博行さん(65)の「破門」(KADOKAWA)が選ばれた。朝日新聞デジタルなどが報じた。
柴崎さんは1973年、大阪市生まれ。1999年に短編小説でデビューし、初の単行本作品「きょうのできごと」は2004年に映画化もされた。芥川賞の候補に選ばれるのは4回目だった。
受賞作は、東京都世田谷区にある取り壊しが決まったアパートに住む青年を主人公に、日常に起こる思いがけない出来事を写実的にとらえた。隣接する水色の洋館にこだわる女性との出会い、洋館の住人との交流、別れ、姉との再会などを通じ、移りゆく時と取り戻せない時間を描いた。
(朝日新聞デジタル「芥川賞に柴崎友香さん 直木賞に黒川博行さん」より 2014/07/17 21:29)
柴崎さんは、「今回の小説はこれまでに書いてきた要素が詰め込まれた小説になりました」と受賞作について語った。
黒川さんは1949年、愛媛県今治市生まれ。高校で美術教師をしていた1983年に「二度のお別れ」で第1回サントリーミステリー大賞佳作を受賞。直木賞は6度目の候補選出での受賞となった。
受賞作の「破門」は、裏稼業で細々と生計を立てている自称建設コンサルタントと、経済ヤクザの男2人を主人公にした人気ハードボイルドシリーズの5作目です。
主に大阪を舞台にして、腐れ縁の主人公2人が、映画の出資金を持ち逃げした男の行方を追うという物語で、緊張感のあるストーリー展開と大阪弁の軽妙な会話で、一筋縄ではいかない人間関係を描いています。
(NHKニュース『直木賞に黒川博行さんの「破門」』より 2014/07/17 19:57)
黒川さんは、受賞の知らせをマージャン店で聞いたという。記者会見では「マージャンをしていたら暗い顔をしないで(結果を)待てるかなと思いました」と話した。「たぶん税金(印税)がたくさん入ってくるので、車でも買おうかな」などと会場の笑いを誘いながら「自分は運が強いなといつも思ってます。この運が功を奏しまして、また、大きい賞をいただきました。ありがたいと思います」と喜びを語った。
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