渡辺明竜王、将棋不正疑惑めぐり謝罪「三浦九段にご迷惑をかけた」

11期目の防衛を果たした、竜王位の就位式で発言。
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時事通信社

将棋の渡辺明竜王(32)が1月17日、11期目の防衛を果たした竜王位の就位式に出席した。渡辺竜王はあいさつの中で、三浦弘行九段の不正ソフト使用疑惑について「週刊文春」の取材に応じ、竜王戦挑戦者が変更されるなどの混乱が生じたことに言及。「メディアの取材に対応したことにより、三浦九段にご迷惑をかけたことを申し訳なく思う」と謝罪した。毎日新聞などが報じた。

渡辺竜王は第29期竜王戦で対局する予定だった三浦九段が、将棋ソフトを用いて不正対局をしていると指摘。週刊文春の取材に応じていた。

不正ソフト疑惑を調査した第三者委員調査委員会の報告書によると、渡辺竜王は竜王戦開幕直前の2016年10月中旬、週刊文春が疑惑についての記事を掲載するという情報を把握。日本将棋連盟の島理事らに訴え、連盟としての対応を求めた。

連盟が、本件疑惑に迅速かつ的確に対応せずに、三浦棋士を竜王戦七番勝負に出場させ、週刊文春の記事により初めて本件疑惑が明らかになれば、それだけで連盟の自浄作用が疑われ信用が失墜することになる。
その上で、仮に本件疑惑が事実であることが判明すれば、連盟や連盟所属棋士、関係者を含めた将棋界全体にとって取り返しのつかない事態になることから、かかる事態を回避するため、竜王戦七番勝負の開催が迫っていることを受けて、早急に対応することとなった。

第三者調査委員会「調査報告書」(概要版)より

将棋連盟は三浦九段を出場停止処分とし、竜王戦の挑戦者を丸山忠久九段(46)に変更したが、第三者調査委員会は「不正行為に及んでいたと認めるに足りる証拠はないと判断した」と結論づけた

■「谷川会長辞任へ」一部メディアが報じる

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日本将棋連盟の谷川浩司会長

朝日新聞デジタルは18日、日本将棋連盟の谷川浩司会長(54、九段)が「近く、辞任を表明する意向を固めたことがわかった」と報じた。一連の問題をめぐり、「混乱を招いた責任をとるものとみられる」としている。

毎日新聞は、「挑戦者交代という異例の事態を招いた竜王戦が就位式開催で一区切りつき、自身の体調もすぐれないことから辞意を固めたものとみられる。今年に入って、他の理事にも辞意を伝えていた」と伝えた。

谷川会長は1962年4月6日、神戸市生まれ。1973年、史上2人目の中学生棋士としてプロに。83年には史上最年少の21歳で名人位を獲得。通算獲得タイトル数は歴代4位の27期。序盤からの迅速な寄せに定評があり、その棋風は「光速の寄せ」「光速流」と呼ばれる。「十七世名人」の資格保持者。

【UPDATE】谷川会長は18日、近く会長職を辞任すると表明した。(2017/1/18 17:32)