森友学園、安倍昭恵氏の挨拶文を公式サイトから削除 何が書かれていたのか?

安倍首相の妻・昭恵氏を「名誉校長」と紹介していた。
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学校法人「森友学園」(籠池泰典・理事長)が4月に開校予定の小学校「瑞穂の国記念小学院」(大阪府豊中市)の公式サイトから、名誉校長として紹介されていた安倍晋三首相の妻・昭恵氏の顔写真と挨拶文が2月23日までに削除された。

同学園をめぐっては、小学校用地として購入した大阪府豊中市の国有地の価格が、近隣国有地の約1割程度(1億3400万円)だったと公表され、土地取得の経緯について疑問の声がでている。

■昭恵氏「優れた道徳教育」「日本人としての誇りを持つ子どもを育てる」

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安倍昭恵氏の顔写真と挨拶文

これまで「瑞穂の国記念小学院」の公式サイト内の「ごあいさつ」のページでは、昭恵氏を「名誉校長 安倍昭恵先生」「安倍晋三 内閣総理大臣夫人」として顔写真とともに紹介していた。ところが23日午後、昭恵氏の写真と挨拶文が削除されていた。

削除された昭恵氏の挨拶文は以下の通り。

籠池先生の教育に対する熱き想いに感銘を受け、このたび名誉校長に就任させていただきました。

瑞穂の國記念小學院は、優れた道徳教育を基として、日本人としての誇りを持つ、芯の通った子どもを育てます。

そこで備わった「やる気」や「達成感」、「プライド」や「勇気」が、子ども達の未来で大きく花開き、其々が日本のリーダーとして国際社会で活躍してくれることを期待しております。

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23日後午後、昭恵氏の写真と挨拶文が削除されていた

■「安倍晋三記念小学校」めぐり首相の答弁にズレ?

森友学園をめぐっては、「安倍晋三記念小学校」の名で学校建設の寄付金を募っていたことでも物議を醸している。

17日の衆院予算委員会では、民進党の福島伸享議員が安倍首相に対し、森友学園が自身の名前で寄付金を集めていたことを知っていたかと質問した。

安倍首相は、「いま話を伺って、初めて知った」と答えた上で、以下のように述べた。

「(2007年の内閣総辞職後に)私の考え方に非常に共鳴している方から、小学校を作りたいので『安倍晋三小学校にしたい』という話がございましたが、お断りをしています。私はまだ現役の国会議員だし、総理大臣を辞めたけれど、復帰することを諦めたわけではないので。
現役の政治家である以上、私の名前を冠にするのはふさわしくないし、私が死んだ後であればまた別だけれども、何か冠をしたいのであれば、私の郷土の先輩である、例えば吉田松陰先生の名前をつけられたらどうかという話をしました。繰り返して申し上げますが、私も妻も一切認可にも国有地の払い下げにも関係ないわけであります」

ところが、2015年9月に森友学園が運営する塚本幼稚園(大阪市淀川区)で講演した昭恵氏は、「(学園理事長の籠池氏から)安倍晋三記念小学校にしたいと当初は言っていただいていた」と述べた上で、「主人が、総理大臣というのはいつもいつもいいわけではなくて、時には、批判にさらされる時もある。もし名前をつけていただけるのであれば、総理大臣を辞めてからにしていただきたい」などと発言していたと、2月21日にテレビ東京のニュース番組「ゆうがたサテライト」が報じた

また昭恵氏は講演の中で、「こちらの教育方針は大変、主人も素晴らしいと思っている。(卒園後)公立小学校の教育を受けると、せっかく芯ができたものが揺らいでしまう」と、公立学校の教育内容に否定的な発言をしていた。

塚本幼稚園は、戦前の「教育勅語」を暗唱させるなどの教育で知られる。同園をめぐっては、「よこしまな考え方を持った在日韓国人・支那人」といった内容の文書を保護者に配布していたことが判明し、大阪府私学課が民族差別の疑いがあるとして調査に乗り出している

■「国有地を200万円で売却している」と指摘する声も

森友学園が国有地を購入した経緯は、国会でも疑問視する声が出ている。

2016年4月、国土交通省大阪航空局は、国有地の土壌汚染除去費として森友学園に1億3176万円を支給。その一方で財務省近畿財務局は2016年6月、この国有地を鑑定価格の9億5600万円から「ごみ撤去費」として見積もった約8億などを差し引き、1億3400万円で森友学園に売却。朝日新聞デジタルによると、近隣国有地の10分の1の価格だという。

民進党の玉木雄一郎議員は20日の衆院予算委員会で、「近隣地は約14億円で売っているのに、国有地を200万円で売却している。異常だ」と指摘した。