「アジア人だから」と宿泊を拒否され… Airbnbの利用者が涙の訴え(動画)

人種差別に出くわした、最悪のスキー旅行となった。
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人種差別に出くわした、最悪のスキー旅行となった。

Airbnbは、2月にカリフォルニア州ビッグベアー近郊で「ゲストがアジア人だ」という理由で到着寸前に宿泊予約をキャンセルしたホストを、同社のプラットフォームから永久追放した。宿泊拒否した理由は、ホスト自身の発言で明らかになった。

「こう言えば分かるでしょう」。ホストはショートメールで宿泊予定客にこう書いた。「あなたがアジア人だから」

人種差別に遭遇した夜に撮影された、涙を流すゲストの動画は急速に拡散され、大きな関心を集めた。Airbnbは同社のプライバシーポリシーに基づき、ゲストとホスト両方の身元をハフィントンポストUS版に明かすことは断った。しかしNBCロサンゼルスによると、ゲストはカリフォルニアのリバーサイドから来た学生ダイン・スーさんと判明した。

「私たち4人は、1カ月ほど前にAirbnbで予約しました」。動画の中で、降りしきる雪を背景に宿泊拒否されたゲストは語った。「そしてホストの女性に、もう2人の友だちが泊まれるかどうか尋ねました。ホストは、かまわない、追加料金を払うだけだと言いました」

「それで私たちは車でそこに向かいました。すべては順調だったんです。このスキー旅行は準備万端でした。洪水警報が一日中出ていました。それから、もう一度ホストの女性に友だち2人が泊まれるかどうか、現金で支払うべきか、いくらになるかもう一度教えてほしいと尋ねました」

「するとホストはこう言いました。『絶対無理。ビッグベアーで一番忙しい週末にそんなことができると思ってるなんて、頭がおかしいんじゃないの』。そしてこう続けました『無理。受け入れられない』。そう言ってホストはこの旅行をキャンセルしました」

あっけにとられたゲストは、女性の言動をAirbnbに報告する、とホストに知らせた。ホストはショートメッセージでこう答えた。「どうぞ。あなたが地球上で最後の人間だったとしても、私はあなたを泊めることはないでしょう」そしてこう続けた。「こう言えば分かるでしょう。あなたはアジア人だから」

ゲストが証拠として提出した、ホストとメッセージをやり取りしたスクリーンショットによると、ホストはこう書いている。「それに、この国がどうするべきか外国人にとやかく言われる筋合いはない。トランプはそのためにいる」

動画の中で、取り乱したゲストは自分がアメリカ国民だと訴えている。ホストにはそれはどうでもいいことだった。ホストは明らかにプロフィール写真だけを見て、ゲストを外国人とみなした。

「彼らの目に映るのは、アジア人だという私の人種です」。ゲストの女性はすすり泣きながら言った。「私たちはこんな扱いを受けています。傷つきます」

ハフィントンポストUS版への声明の中で、Airbnbの広報担当者クリストファー・ナルティ氏は、ホストの振る舞いが「忌まわしく、受け入れがたい」と語った。ナルティ氏は同社がすぐにこのゲストと連絡を取って事案について調べ、他の場所の再予約を申し出たが、ゲストの女性はすでに別の計画を立てていたという。

「このゲストの方に対し、全面的なサポートを提供しています」と、ナルティ氏は言った。「そして当社の反差別ポリシーに即し、このホストはAirbnbのプラットフォームから永久に削除されます」

スーさんはこの事案についてFacebookに投稿し、日常の中で起こり得る差別について考えてもらうよう、読者に呼びかけている。

「みなさんに考えて欲しいのは、このような差別が法律学校に通う中間層の、男性と交際中で心身ともに健康な、アメリカ国民でクリスチャンのアジア人女性に起こるようになれば、立場の弱い人がどれだけ大変になるかを考えてほしいということです。みなさんは、是非こうした弱い人たちの支えになって上げてください」と、スーさんは書いた。「私はスキー旅行での滞在を断られただけですみましたが、差別によって殺される人や、アイデンティティを著しく傷つけられる人もたくさんいるのです」

「私と同じように差別を受けている人たちに、私たちは一緒だから強い気持ちを持ってほしいと伝えたい。また心を開いて共感してくれる全ての人たちに感謝したい。そして全ての人に、こうした偏見や無知がいかに間違っているかということに気づき、隣人を愛することを学んで欲しい」と、スーさんは付け加えた。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。