AIBOはここでお葬式が行われていた...多様化する「モノ供養」

供養後は部品が修理に活用されている。
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- UNDATED PHOTO - Sony's AIBO LM Series robots Latte (L) and Macaron, the new robotic puppies scheduled for unveiling on September 5, 2001 by Sony Electronics Inc.'s unit, Entertainment Robot America, are shown in this undated photograph. The toys, equipped with artificial intelligence and digital cameras just like their big brother AIBO, will be in Sony stores and select FAO Schwarz toy stores on Oct. 27 for $850 each. Sony and FAO Schwarz will start taking pre-orders on Oct. 1. (Credit : Entertainment Robot America, Sony Electronics)
Ho New / Reuters

土鍋もAIBOも供養します 愛着の対象多様に

 各地の寺や神社などで、特定の品目を対象にした「モノ供養」が多様化している。定番の人形や針のほか、土鍋、めがね、カメラ、ロボット……。近年新たに始まった行事も多い。

 10月上旬、三重県四日市市にある萬古(ばんこ)焼ゆかりの萬古神社には、使い古した大小30個以上の土鍋が並んでいた。土鍋に感謝し、食の安全を祈る土鍋供養祭。約60人を前に神主が祝詞(のりと)をあげ、その後は参拝者が土鍋をハンマーで次々に砕き、一部を土に戻した。

 萬古陶磁器卸商業協同組合によると、萬古焼が国産土鍋で約8割のシェアを占めることから始まり、今年で30回目という。石崎和豊事務長は「他にはない行事だと思います」。

 新たに始まった供養や感謝祭は、そのモノと縁の深い業界団体や企業が中心となり、地域の寺社が協力するケースが目立つ。

 刃物の産地として知られる岐阜県関市の刃物供養祭もその一つだ。「イイハ」の語呂にちなみ、11月8日の「刃物の日」に県関刃物産業連合会が主催して開かれる。例年全国から集まった包丁やはさみなど約4万本が神主によって供養された後、一部が災害時の支援用などに再利用される。

 千葉県いすみ市の光福寺では、ソニー生まれのロボット犬「AIBO(アイボ)」などの修理を手がける会社「ア・ファン」(同県習志野市)に「献体」されたアイボの合同葬儀が営まれ、供養後は部品が修理に活用されている。同社によると、2015年以降、218体が供養されたという。めがねの産地・福井県鯖江市の「めがね感謝祭」(10月1日、県眼鏡協会)も、供養後は一部を途上国に寄付する。

 根底には、あらゆる事物に霊魂が宿るとする伝統的な考えなどがあるが、それだけではない。「愛着があり、ごみとして処分するのはしのびない」「感謝を伝えたい」といった持ち主の心を癒やしたり、リサイクルやPRにつながったり、様々な「効能」がある。

(朝日新聞デジタル 2016年11月07日 14時29分)

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(朝日新聞社提供)

下記は2015年11月に光福寺で行われたAIBOのお葬儀の様子を撮影した動画