イラン前大統領、国民に禁止したはずのTwitterを開始。背景は?

イランのアフマディネジャド前大統領が、在任中に禁止したTwitterを始めました。
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Iran's President Mahmoud Ahmadinejad gestures as he leaves a news conference in Istanbul, Turkey May 9, 2011.REUTERS/Murad Sezer/File Photo
Murad Sezer / Reuters

イラン前大統領のアフマディネジャド氏が、Twitterのアカウントを開設し、コメントを投稿した。

同氏は、大統領在任中に国内でのTwitter利用を禁止した張本人。何とも矛盾する行動を、CNNなどの海外メディアが報じた。

Twitterのページを見ると、アカウントは2017年1月に開設。プロフィール欄には、夫や父、祖父であるとつづり、大学教授や大統領、市長といった過去の経歴を並べた上で、自分を誇りを持ったイラン人と表現している。

初めてのツイートは3月5日付で、「神の名の下に、平和は世界の人々を愛する全ての自由に委ねられる」とコメントしている。

アフマディネジャド氏は2005年〜13年、大統領を2期を務めた。2009年の再選時、不正な選挙だとして反対する抗議運動「Green Movement」が起き、デモに集まる人々が連絡や連携を取る手段として、Twitterが大きな役割を担った。

Green Movementは、 Twitterがデモを呼び掛けたり、組織したりするためのツールとして世界で初めて使われた運動とされていることから、Twitter革命と呼ばれた。

アフマディネジャド氏は事態の収拾を図るため、TwitterやFacebookなどのSNSへのアクセスを禁止する対抗策を取った。

それでもイラン国民は、違法なソフトを使って、Twitterを利用した。

TwitterなどのSNSは、数年後の民主化運動「アラブの春」によって中東で起きたデモでも、大きな役割を果たした。

イラン政府は2016年、Twitterの利用規制を部分的に解除。インターネットへの検閲は依然として続いているが、ハサン・ロウハニ現大統領ら一部の指導者は、Twitterのアカウントを持っている。

ガーディアンによると、イランは5月に大統領選があり、アフマディネジャド氏は、政治の第一線への返り咲きを目指しているという。Twitterのアカウント開設は、過去に自分を苦しめたツールを、求心力を高める手段として利用しようとしているからだろうか。

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