親子と言うと、どんな形を思い浮かべるだろうか。子どもがお父さんとお母さんから産まれた親子もいれば、親が別のパートナーと再婚した親子も。それとも、子どもを他の人に頼んで産んでもらった親子もいるだろう。
形はさまざまで、その人から産まれたことだけが、親子の証ではない。自分で産まなくても、子どもを授かることはできる。
その方法の一つが里親と養子縁組。何となく聞いたことはあっても、あんまり馴染みがないし、どこか難しそう。そもそもどんな制度で、どんな違いがあるのだろうか。まとめてみた。
■里親と養子縁組はどんな制度?
里親と養子縁組は、親の不在や虐待などの事情で家庭で育てられない赤ちゃん・子どもを、希望する世帯が「家族」として迎え入れる制度。
どちらも、誰かの助けが必要な赤ちゃん・子どもを家庭環境で育てようという考えは同じだが、子ども年齢や戸籍の記載などいくつか違う点がある。
里親とは...
子どもを決まった期間預り、産みの親の代わりに自宅で育てること。目的に応じて4つのタイプに分かれる。
・養育里親:子どもを預かって産みの親の代わりに育てる
・養子縁組里親:預かった赤ちゃん・子どもと養子縁組を予定している
・専門里親:虐待や非行、障害などの理由で、専門的な援助が必要な子どもを育てる
・親族里親:産みの親が死亡・行方不明になった場合に、おじいちゃん・おばあちゃんら親戚が育てる
養子縁組ってなに?
子どもと迎え入れる家庭が、法律・戸籍上の「親子」になること。実の親子と同じ権利・義務が与えられ、親権も移る。
■里親と養親縁組、こんなところが違う
里親と養子縁組は、どんな違いがあるのだろうか。グラフで「里親」「普通養子縁組」「特別養子縁組」に分けて整理してみた。
①親権は移る?
里親 × ふつう養子縁組 ◯ とくべつ養子縁組 ◯
②親子関係(戸籍)はあるの?
里親 × 産みの親との法律・戸籍上の親子関係が残る。子どもは産みの親の戸籍に長男/長女として記載されたまま、変わらない。
ふつう養子縁組 △ 産みの親と育ての親の両方との間に、法律・戸籍上の親子関係がある。産みの親の戸籍には長男/長女、育ての親の戸籍には養子/養女と記載。どちらの親との間にも、相続権や扶養義務が残る。
とくべつ養子縁組 ◯ 産みの親との法律・戸籍上の親子関係がなくなり、育ての親と実の「親子」になる。相続権や扶養義務も育ての親に移る。
③迎える子どもの年齢
里親:0歳〜18歳になるまで(延長もできる)
途中で産みの親の元に戻るか、18歳になったら自立する。自立が難しい場合、例外的に20歳まで認められる。さらに大学へ進学した場合などに、卒業するまで(22歳)里親の元で支援が受けられる。
制度上は里親家庭から自立する年齢が決められているが、それ以降も一緒に暮らすことができる。
ふつう養子縁組:年齢制限なし(養親よりも年上はダメ)〜ずっと親子
とくべつ養子縁組:6才未満〜ずっと親子
④呼び方は?
里親:里親、里子 ふつう養子縁組:養親、養子 とくべつ養子縁組:実親、実子
⑤手当はあるの?
里親 ◯ 国と都道府県や市町村から養育費と里親手当が出る。
ふつう養子縁組 ×
とくべつ養子縁組 ×
⑥関係を解消できる?
里親 ◯ 産みの親が育てられるようになったら途中で実家へ戻るか、原則18歳になったら自立する。
ふつう養子縁組 ◯ 子どもと親の間で同意があれば、養子縁組を解消できる。
とくべつ養子縁組 × 虐待などの特別な理由があった場合のみ、家庭裁判所が離縁させることができる。
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