前回ブログ世にも奇妙な足立区再開発を追う~地権者急増?!の巻~が静かな注目を集める中、案の定といいますかやっぱりといいますが、五輪エンブレムが中止となった、お上(と、あえて言おう組織委員会の面子を見てれば)のお粗末もさることながら、エンブレムデザイナーに説明責任を求めていた舛添要一東京都知事も、少々図に乗ったか、残ったグッズはMOTTAINAIから使い切る!と宣言、ところが事態急変元国際政治学者は海外には敏感に反応しますから急遽撤回、「現在もIOCは、エンブレムの件に関し、訴訟を行っている、スポンサーも中止していることを総合勘案」、9月4日には「やっぱ使うナ!」と東京都庁関係者(議員含む)に通達が出まして、いったい全体何やってんだかというところでございます。
9月3日には、近隣国で軍事パレードが賑々しく開催され、世界情勢も穏やかならぬ中、第三極は次の選挙の我が身かわいさに「改革の精神を受け継いだ、全く新しい政党を作る、政権交代可能な野党を作る」なんて言い訳しながらコロコロ政策も政党も変えて内ゲバを繰り返し政局は混とん...。何をするにも近視眼的、危機感と責任感とリーダシップ無きこの国の意思決定機関でございますが、それはそれでマスコミ報道もあり注目もされ、国民がだまっちゃなくて、新国立競技場を白紙へ、エンブレムは中止へ、と、何とか民意で動いていくものです。
一方、皆様の足元の地方自治、地方議会はノーマークで新聞も取り上げませんから、誰も関心を示すこともできず、限られた意思決定機関メンバーのみで、もっと好き放題となりかねないことは想像のとおりでございます。
お姐こと上田令子は、地方議員でございますのでね、えぇそっちをコシコシ地道ぃ~に調査点検研究する議員職人道を、当選以来極めたいと努力している次第です。
ということで、お上の茶番劇の前フリはこの辺りに致しまして、前回の続きであります。
都市開発をするにあたっての組合の構成人員は、地主5名以上ということが都市再開発法によって定められております。通常、複数の地主がいて、複雑な権利が交錯する再開発事業、その交通整理のための組織、つまりそれが組合設置です。ですから、都市開発のために地主が増えた!なんて話は聞いたこともないわけでして、ありがたい都民の情報だったのですが、正直信じがたい気持で独自調査したところ揺るがぬ事実に驚愕というよりはゾッとしましたのは、前回ブログの通りです。
復習のため再掲します。
◆地権者が増えたX-DAY★
平成26年6月24日時点
地権者:東京都財務局(旧足立都税事務所)、第一生命相互会社、株式会社杉本興業(トポス北千住店部分) 3名
平成26年6月25日
地権者:東京都財務局、第一生命相互会社、杉本興業株式会社、杉本 善幸、株式会社スギモトホールディングス 5名
杉本興業がグループ内で売買を行い、親会社・子会社・社長に事実上分散、地権者が5名に急増!
(再掲おわり)
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これにて、合法的に組合設立の要件を満たすに至ります。
さらに間髪いれずに、地主側は手続きに及びます。
平成26年6月26日 千住一丁目地区第一種市街地再開発準備組合設立(権利者5名)
と、同時に足立区都市建設部長から、旧足立都税事務所を所有する地主であります東京都財務局財産運用部長宛て「市街地再開発事業へのご協力を何卒よろしく」という文書(以下)が送られたのであります。
福祉施設の紹介や介護や保育の相談等庶民の悩みには待てど暮らせど対応してくれない o r 門前払いの行政窓口にあって、この守備の良さ、機敏な対応には、本来のお役所、お役人の優秀さを見るところでございます。
それまで都民から寄せられた声によれば、足立区民の「この再開発はどこが主導なのだ?」という問い合わせに足立区が「東京都だ」と回答をされたと仄聞しておりましたが、7月1日に上田が独自に財務局から取り寄せたこの文書を持って、まず東京都が先鞭をつけたというよりは、「地権者その1」として足立区に協力要請されている立場だということが明白になった次第。
平成26年6月29日 足立区都市計画審議会により都市計画決定
平成26年12月1日 住民への事業説明会にて、足立区担当者が「オブザーバー」の立場を明言
平成27年7月10日 東京都市計画第一種市街地再開発事業千住一丁目地区第一種市街地再開発事業の決定告知
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平成26年6月26日、組合設立要件を満たした翌日に足立区から地権者の一人である東京都へ協力要請が出ている妙な守備の良さを鑑みても、足立区と地権者、しかも東京都が、ガッチリと握手を交わして進めていく事業のようにも見えなくもありません。
市街地再開発組合が設立されると、それは一つの法人格を得ることになり、組合主導の再開発がおこなわれることなります。コノ組合は、民間主体なのか、自治体主導なのか、それとも他の何かしらの力によるものなのか...。同じ地方公共団体で足立区に協力要請されている東京都だったとしても、都有財産=都民財産の旧足立都税事務所の地権者とし、我らが東京都(財務局)が「NO!」といえばこの計画は成立しないわけですので、地方議員職人道を行く!お姐が特別に注目しているところです。
平成26年12月1日に、実施された事業説明会では、足立区の担当者2名が出席し、「オブザーバーとしての出席」と明言し、民間主導であることをアピールしているあたりもなんともわざとらしい感じがしますね。だって、平成26年6月26日に東京都財務局の足立区は「協力よ・ろ・し・く♡」的要望文書を送ってるわけですし、そもそ「民間主導」といいましても、地主はたったの5者しかいない、そのうちの一つは「東京都」。...ジロリンチョ。
となれば、区民の代表たる足立区議会建設委員会では、どんな議論がなされたか気になるところ!
足立区では、今年4月の統一地方選挙にて1.196票差最下位当選の松丸まこと議員に、次点候補による異議の申し立てがなされ(詳細)、厳重調査の結果、1票どころか3票の開きがあることが判明、松丸議員が議員バッチを守れたという経緯が耳目を集めたばかり。色々こりゃ~ありそうだ!
と、言うわけで、お姐的検証は、頼まれもせぬが引き続きつづく!!
【お姐ひとりごと】
なぜ桜のリースがずっと使えないのかオリパラ準備局総合調整部準備会議担当課に、こちらの疑義を明らかにして事前に連絡、8月初旬に音喜多都議会議員とヒアリングするも、全く要領を得なかったのですが、ハフィントンポスト「「招致の桜」エンブレム、継続使用はダメ なぜ?【東京オリンピック】」にて論旨がようやくスッキリいたしました。ぜひご一読を!
皆さんに親しまれ、継続使用を求める声も私のところに届いたこの「招致の桜」は2011年11月に発表されました。
「一般公募の38人から選ばれた制作者の島峰藍さん(22=女子美術大4年)は「リースには"再び戻る"という意味がある。五輪で日本に活気を戻したい」と震災からの復興と64年以来2度目の五輪開催への思いを込めた。」震災のあった年に、この桜のデザインは多くの人々の心を鼓舞し、温かな希望を抱かせたものでした。
プロのデザイナーがコンペで選ばれたのに前代未聞の作り直しをした上に中止となった正式エンブレム。「招致の桜」は一般公募、直しなしで、プロになる前の美大生のデザインに決まりました。無償で使われてきた桜を「有償で(権利ビジネスの)ライセンス展開するのは難しい」ということですが、反省を込めてそこを乗り越えて使い続けてもらいたいです。
招致ビデオもこのリースのモチーフがふんだんに使われ、本当に感動的だったのに、招致後は見られないというお約束事についてもなぜなのかもサッパリ担当課は説明できず...。大丈夫か?!東京都!?ということで、こちらはお姐の職務として議員職人道を極めます。
(2015年9月6日「上田令子のお姐が行く!」より転載)