重機が歩道に、下校中の女児死亡 ブレーキ踏み間違えか
1日午後3時55分ごろ、大阪市生野区桃谷1丁目の市道交差点で、重機が歩道に乗り上げ、すぐそばにある大阪府立生野聴覚支援学校小学部5年でいずれも11歳の男児1人、女児2人の3人と、40代の女性教諭2人の計5人をはねた。府警などによると、同校の井出安優香(あゆか)さん(11)=同府豊中市=の死亡が確認された。ほかの児童2人と45歳の教諭が骨盤骨折の重傷、41歳の教諭が軽傷を負ったという。
府警によると、重機の「タイヤショベル」を運転していた建設会社社員の佐野拓哉容疑者(35)=大阪市阿倍野区=を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕。容疑を同致死傷に切り替えて調べる。佐野容疑者は「信号が赤になったので止まろうと思ったが、ブレーキとアクセルを踏み間違えた」と話し、容疑を認めているという。重機はすぐそばの道路工事の現場で使われていたものだった。
府教育庁などによると、子どもたちは下校中で、同校北東角の交差点で信号待ちをしていた。子ども3人はいずれも聴覚に障害があり、女性教諭は交差点で見守り活動などをしていたという。現場はJR大阪環状線鶴橋駅の南約400メートルの住宅街で近くには小学校もある。
現場近くのクリニックで働く30代の男性は、「キャー」という悲鳴や泣き声を聞いた。毛布と傘を持って駆けつけると、5人が倒れ、女児の1人が口から血を流していた。周囲の人が心肺蘇生を始めたが脈が戻らず、同校の関係者が自動体外式除細動器(AED)を取りに行ったという。女児の1人は大声で泣き、男児はぼうぜんとした様子で、学校関係者が寄り添い手話で会話していたという。「現場にはランドセルや傘、靴が散乱していた」と不安そうに話した。
(朝日新聞デジタル 2018年02月01日 23時48分)