はじめまして。幻の昭和64年生まれ、
千葉県出身の粟飯原 聡美(あいはら さとみ)と申します。
新卒で日本の会社に就職し、3年半ほど働いた後、現在はシンガポールにあるアメリカのIT企業で仕事をしております。
シンガポールに来てから2ヶ月しか経っておらず、まだ観光客気分が抜けないままの毎日です(笑)。
今回は、私がなぜシンガポールへ来ることを決意したのかについて、お話させていただきたいと思います。
ホームステイ体験で一気に「世界」が開けた
私は小さい頃から年に2~3回と海外旅行に出ることが多く、海外にいつか住んでみたいな......という漠然とした考えは昔から抱いていました。
大学1年生の時、学校のプログラムでオーストラリアでのホームステイ体験があり、特に興味があったわけではなかったものの友人が申し込むという話を聞き、私も行ってみようという軽い気持ちで参加しました。
実際に行ってみると、たまたま私が滞在させていただいたホストファミリーが国際交流団体の主催者であったことから、ホームパーティーやイベントなどでいろいろな国籍の方と関わる機会がたくさんあり、国際色豊かな環境の中で勉強ができたら面白いだろうなと思うようになりました。
帰国してからはその想いを実現するため、国際関係学などについて学ぶことのできる英語圏の大学を探し、3年生に上がる前に休学をして1年間アメリカの大学へ留学をしました。
その1年間、人に胸を張って言えるほど勉強を一生懸命頑張ったとは決して言えませんが、異文化に身を置いたことはとても良い経験となり、将来海外で働きたいという気持ちを以前よりも強くもつようになりました。
しかし、当時の私には「航空業界で働く」という小さい頃からの夢もあったため、就職活動をした際に受けたのは日本の企業でした。
夢だった航空業界での仕事、でも......
無事大学を卒業し、入社した日系航空会社では仲間に恵まれ、仕事も楽しくやりがいもあり、何よりも憧れだった業界に入ることができたことに満足していました。
そんな日々の中で「ここで一生仕事をしていくのもいいかな」と思うのと同時に、かつて抱いていた「海外で仕事をする」という想いは薄れていっていました。
けれども2年、3年と働くうちに、「自分はこのまま、ここでの経験しかないまま終わってしまってよいのだろうか?」、留学時代に仲の良かった友人たちは海外でどんどんステップアップしているのに「自分は置いて行かれているのでは?」との考えが頭をよぎるようになり、仕事をしていても自身に劣等感ばかり感じるようになっていきました。
仕事中対応しているお客様に対してさえ、「この方は仕事で世界を飛び回っているのに、私はここで何をしているんだろう......」と羨む始末でした。
そんな私を動かすきっかけとなったのは、よくお会いするお客様の一言でした。
「せっかく留学もして、海外にも目を向けているのに、ここにずっといたらもったいないと思わない? やりたいことがあるなら、若いうちにどんどん挑戦しなさい。今ならたとえ失敗したとしても修正がきくんだから」
その言葉に背中を押されて、今こうしてシンガポールにいる私がいます。
海外で挑戦したい、けれど気になる年齢の壁
私が大切にしている言葉に「All life is a chance.」というものがあります。
挑戦しなければ何も変わらず、ただただ何も考えずに毎日過ごしていたら、チャンスに気づくこともできないかもしれません。
「自ら新しいチャンスをつかむべき!」という、私が忘れかけていたことをそのお客様は思い出させてくれたのです。
ただ、そのとき1番気になったのは年齢のこと。
周りがどんどん結婚していく中で、このタイミングで海外に行くことにより、婚期を逃したら......。結婚できなくなったらどうしようという不安も、正直何度も頭をよぎりました。
でも、それはもし結婚できなかったとしても、友人のうちひとりくらいは生涯独身を貫き、歳を取っても付き合っていける子がいるだろうという「どうにかなるさ」精神でカバー(笑)。
それよりも、このまま海外で働くことがなく人生が終わってしまうことのほうが私にとっては後悔が大きいのではないかと思い、もう数年しか残らない20代のうちに行ってしまおうと決心したのです。
動き始めた第二の夢
「海外で働く」と決めたものの、実際どこの国に行くのか、どんな仕事をするかなどの具体的な考えはありませんでした。
去年、今年と香港、タイ、そしてシンガポールにたまたまよくアジアに旅行に来ていたことや、近年急速に発展していることからそのあたりの国に着目し、そんな中でも、英語が公用語であり、日本人が住みやすいと言われ、何より安全である(やたら罰金が多いのも理由のひとつかもしれませんが)シンガポールに的をしぼり、転職活動を始めたのです。
シンガポールで働くと決め、転職サイトに登録し、オファーいただくまでに約1ヶ月。
実際に移住するまでには約3ヶ月しかかりませんでした。
シンガポールに渡る10日前まで仕事をしていたのですが、退職した次の日から引越し前日までのあいだ、
住む家さえも決めていないのにヨーロッパ旅行に行くというかなりぎりぎりなスケジュール調整に友人たちからは笑われ、両親には呆れられるということもありましたが、バタバタしていたお陰で
日本を離れる寂しさも気が紛れたので、かえって予定を詰めてよかったかも、とも今では思っています。
採用オファーをいただいて入社することになった会社はIT業界。
今まで航空業界で働いてきた私はパソコンもまともに操作できず、特に資格ももっていなかったため、来るまでのあいだはとても不安に感じました。
できることなら後悔の少ない人生を
前職と全く異なる業界での新たなチャレンジはまだ始まったばかりですが、今のところ不安に思っていたよりも苦ではなく、むしろ私のようなタイプの人間には、規律を守ることが第一の日系企業よりも、ある程度自由な雰囲気の外資系企業のほうが合っているのかもしれないと感じています。
一度きりの人生。
後で振り返った時に何も後悔がないというのは無理かもしれませんが、なるべく後悔の少ない毎日を過ごしたい!
もし、今海外に出るかどうか悩んでいる方がいるのであれば、その方にとって私の話が今後少しでも判断材料となれるよう、連載をしていけたらと思っています。
どうぞよろしくお願いします!
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ライター
粟飯原 聡美/Satomi Aihara
1989年生まれ、千葉県出身。海外旅行が大好きなことから英語に興味をもち、大学では英語学部で国際関係について学ぶ。在学中にオーストラリア、アメリカに滞在した経験から海外で働くことに憧れを抱くように...。卒業後に勤めた日系航空会社を3年半で退職し、転職、シンガポールで現地採用として働く。現在、多様な文化の交差点にて新たな夢を模索中。
週刊ABROADERSは、アジアで働きたい日本人のためのリアル情報サイトです。海外でいつか働いてみたいけど、現地の暮らしは一体どうなるのだろう?」という疑問に対し、現地情報や住んでいる人の声を発信します。そのことによって、アジアで働きたい日本人の背中を押し、「アジアで働く」という生き方の選択肢を増やすことを目指しています。
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