アベノミクス「成長戦略」評価、各紙比較

日本各紙(朝日・読売・産経)は、改めて明確になった安倍政権の経済財政政策について、それぞれの切り口から評価と課題を指摘している…
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Shinzo Abe, Japan's prime minister, leaves after delivering a speech at a seminar in Tokyo, Japan, on Wednesday, June 5, 2013. Abe pledged a legislative campaign to loosen rules on businesses ranging from non-prescription drugs to construction. Stocks slid as he said the effort won't begin for months. Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg via Getty Images
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日本各紙のアベノミクス「成長戦略」評価は?

 安倍内閣は14日、アベノミクス「第三の矢」である成長戦略「日本再興戦略」、経済政策の基本方針「骨太の方針」をそれぞれ閣議決定した。

 成長戦略では、「日本産業再興プラン」、「戦略市場創造プラン」、「国際展開戦略」の3つを掲げている。

 骨太の方針では、成長戦略推進とマクロ経済環境の好転、財政健全化と経済再生などの「好循環」を起こすと明記した。

 日本各紙(朝日・読売・産経)は、改めて明確になった安倍政権の経済財政政策について、それぞれの切り口から評価と課題を指摘している。

【成長戦略の評価と課題】

 まず産経新聞は、「方向性は妥当」と評価する姿勢だ。特に、安全が確認された原発を再稼働させること、法人税や設備投資の減税を重視している。成長戦略の目玉である「国家戦略特区」についても、内外の企業を呼び込むため、早期の具体化を求めている。なお読売新聞も同様に、原発再稼働と法人税減税を評価する姿勢だ。

 一方朝日新聞は、政府が「過当競争の是正」を掲げ、特定業界の再編を迫るようなやり方を批判している。政府は、規制を見直すことや、企業の海外進出を後押しするような、「環境整備」に注力するよう求めている。産経新聞も、規制改革に関しては、「農業や医療などで踏み込みが足りない」と批判的だ。

 なお、以前本サイトで取り上げたように、海外紙は日本の成長戦略の行方に悲観的な報道が目立つ(また抵抗勢力に負けるのか? 海外紙が案じるアベノミクスの行方)。

【骨太の方針の評価と課題】

 まず読売新聞は、骨太の方針にて財政規律を重視されていることを、妥当と評価している。産経新聞も同様に、危機的な財政状況を克服する姿勢を評価し、特に社会保障支出を「聖域としない」と明記したことは大きいと指摘している。

 少子高齢化・人口減少社会の日本にとって、毎年1兆円規模で膨らむ社会保障費は、経済成長だけではカバーできないと主張。特例で1割となっている高齢者の医療窓口負担を通常の2割に戻すこと、年金支給額を、物価・賃金に合わせて調整すること、年金支給開始年齢を引き上げること、などに取り組むべきと求めている。

 この点については読売新聞も、課題を列挙するのみで削減規模を明確にしていないことに、不満をあらわにしている。両紙とも、国民に痛みを強いることも辞さない、具体的な財政再建計画を政府が立案し、実行できるかがカギと主張している。

 加えて、抵抗の大きいであろう「公共事業、地方財政の効率化」も重要と産経新聞は論じている。

 総じて、「経済成長と財政再建の両立」という方向性は評価しつつも、具体策に乏しく、抵抗の大きい部分を押しきれるかも未知数であることが伝わる。

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