「5年後、10年後の自分は、何をしていると思いますか?」
学校の卒業文集、企業の採用面接...さまざまな場面で聞かれるこの質問。この答えを、みなさんはどのように考えますか?そして、その理想をどのように叶えますか?
自身が思い描くライフプランやキャリアプランを実現させていく中で感じる、「期待」や「不安」。ハフポスト日本版で実施したアンケートから、その背景にある課題が見えてきました。
キャリアやライフイベントを諦めた経験、ありますか?
「『外的要因』により、キャリアやライフイベントが思い通りにいかなかった経験がある」・・・76.2%
「キャリアを描く上で直面する課題は、性別によって異なると思う」・・・87.9%
これは、ハフポスト日本版が実施したアンケートの結果です。年齢や性別、生活環境など、キャリアとライププランにはさまざまな要因が影響しますが、特に日本では、働く女性がその困難に直面しやすい傾向にあります。
世界経済フォーラムが発表する「ジェンダー・ギャップ指数」では、政治や経済分野における意思決定への参画、管理職比率において、世界各国の指数と比較しても、日本では女性の存在が際立って少ないことが明らかになっています。
SDGsでも、「政治、経済、公共の場でのあらゆるレベルの意思決定において、完全で効果的な女性の参画と平等なリーダーシップの機会を確保する」(目標5-ターゲット5)とうたわれています。国際的にジェンダー平等が目指される今。女性のキャリアとライフプランには、どのような「選択」があるのでしょうか。
「“なりたい姿”の実現にあたって、性別の壁はありませんでした」
日本発、アジア発の総合コンサルティングファーム、アビームコンサルティング株式会社。同社では、多くの女性社員がキャリア、ライフイベントの両面で「なりたい姿」を実現しています。
「性別の壁を感じることはなかった」この言葉の背景を、2名の女性社員に聞きました。
── ご自身のキャリアとライフプランを、どのように思い描いてきましたか?
膝附さん(以下、膝附) 新卒当初は25歳までに結婚して専業主婦になることをイメージしていましたが、キャリアを築いていく中で仕事が面白くなり、アビームに転職。30歳で結婚をし、今もこうして仕事を続けています。
今の齋藤さんと同じシニアコンサルタントの時に妊娠・出産を経験し、復帰後マネージャーに昇格しました。復帰直後は不安もありましたが、カウンセラーに随時キャリアプランを相談していたため、仕事と家庭の両立をしながらも、マネージャーに挑戦しようという気持ちが芽生えました。
齋藤さん(以下、齋藤) 私は今年マネージャー昇格に挑戦したいと思っており、直近のキャリアプランは描けているものの、ライフプランはまだ漠然としています。結婚、出産も経験したいですが、仕事とライフイベントの両立については、当然悩むタイミングがやってくるのではないかと思っています。
だからこそ、膝附さんのように、さまざまなキャリアやライフイベントを経験した先輩と話す機会を意識的に持つようにしています。カウンセリング制度(※1)や業務上のプロジェクトなど、先輩方に相談できる場が多いのは、上下、部門間の壁なくコミュニケーションがとりやすいアビームならではの環境だと思います。
「自分らしい選択で、自身が望むキャリアを」
── 「なりたい姿」を実現させていく上で、アビームにはどのような「選択」があるのでしょうか?
膝附 アビームに入社以降、性別を意識して仕事をしたことはほとんどありません。男女関係なく、自身の望むキャリアを、やりたいカタチで実現することができる職場環境があるからだと思います。
「何歳までにこうあるべき」「ライフイベントによりキャリアを諦めなければいけない」...こんな風に考えたことは、思い返してみると一度もなかったかもしれません。
齋藤 自由度が非常に高い社風ですよね。日系大企業ではありますが、ベンチャー気質も持ち合わせていると思います。コミュニケーションのとりやすさもそうですが、個人それぞれに合った働き方を支える取り組みもたくさんあります。「Business Athlete」の活動(※2)もその一つ。数多くの選択肢を組み合わせつつ、自分らしい働き方を実現しながら、理想のキャリアを目指せる環境が整っています。
膝附 私が育休から復職した時も、「どのくらいの期間休むのか?」「復職してからのキャリアプランは?」という問いに対して、自らの志向性をふまえ、キャリアを自由にデザインしていきました。こういったことが実現しやすい環境や制度が整っていることも、アビームならではの魅力だと思います。
最近では子育てと仕事を両立する女性社員だけでなく、男性で育休をとる社員も増えてきています。男女問わず、「こうあるべき」というロールモデルに縛られないキャリアを選択できるので、より多様なメンバーが集まってくるのかなと感じています。
── 社内のコミュニケーションも、キャリアに大きく関わっているようですね。
齋藤 社内コミュニケーションは非常に活発で、私が今所属しているプロジェクトも、もともとは社内で集まった有志でスタートしたものです。それをビジネスとして成立させることができるのも、自由度の高さを象徴する事例だと思います。
また、アビームにはさまざまな社内コミュニティ、社内活動があり、私はD&Iを推進するDiversity &Inclusion Initiatives(※3)に関与し、主に「女性活躍推進」の分野に取り組んでいます。その活動を通して、出産、子育てを経験する女性社員の悩みを聞く機会も多いのですが、育休から復帰する社員を対象に、事前に不安を払拭する場として育休者向け復職サポートセミナーを開催するなど、アビームには育児休暇から復帰後、スムーズに活躍できるよう、サポートする取り組みが多数あります。
膝附 コンサルタントという職業柄、他の企業の方々と関わる機会が多いのですが、お客様の組織における管理職以上となると、まだまだ男性が圧倒的に多く、「女性の発言権」を意識させられることがあります。その中でも、アビームは女性社員が多い、マネージャー以上にも女性が多い方だと感じていますが、実際はどうでしょうか?
齋藤 私は自動車業界を担当しているので、特に男性社員の比率が高いですが、他の企業様と比較すると、アビーム全体としては女性社員比率が高い方だと感じます。
一方で入社する女性や、マネージャー以上の女性比率を「数字」で是正するのは、きっかけにはなるものの、性別に関係なく個々が保有している能力や経験を、存分に活かして活躍できている状態がなければ、本質的解決には至らないと思います。「なぜ、女性比率が低いのか」を自分自身に問いかけ、その背景を正しく分析し、自らも直面するであろうキャリアとライフイベントの課題を、本質的に解決できる職場環境づくりを推進していきたいと思います。「女性活躍推進」という言葉を、あえて掲げる必要がなくなる日を目指して、活動していきたいです。
膝附 転職前は、コンサルティング会社に対して、ドライなイメージを持っていました。しかし、今は社風や制度、環境面も含めて非常に柔軟さを感じることも多く、結果としてキャリアの目標もライフイベントも、自らの意志次第で道を切り開くことができてきるように感じます。これからも、自分らしい選択で充実した日々を過ごしていきたいと思います。
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キャリアも、働き方も、ライフプランも。思い描く「なりたい姿」は人それぞれ。
5年後、10年後のなりたい姿、みなさんは「どこで」「どのように」叶えますか?