9月28日午後、衆議院が解散された。
解散後の臨時閣議で「10月10日公示、22日投票」の日程が正式に決定される見通し。衆院選は安倍首相が「アベノミクス解散」と銘打って実行した2014年12月14日以来、約3年ぶり。
安倍首相は25日の記者会見で「国難を突破するため国民の信を問う」と解散の意向を表明。与党で過半数(233議席)を目標に掲げた。
これに対する野党側は、25日午前、離党者が相次いだ民進党の前原誠司代表が、立候補予定者を小池百合子氏の「希望の党」の公認で立候補させることを党内で提案したとNHKなどが報じた。受け入れられれば実質的に合流する形となり、波乱の展開だ。
正午に始まった衆院本会議の冒頭で、大島理森議長が解散詔書を朗読。民進・共産は、「解散するだけの本会議には出席できない」として欠席を表明。議場からはばんざいの声が起こった。
争点は?
安倍晋三首相は25日の記者会見で、企業の設備投資や人材投資を促す「生産性革命」、幼稚園・保育園の費用無償化や低所得者の高等教育を無償化する「人づくり革命」を2大目標に掲げた。また、その財源として2019年10月に消費税率を10%引き上げ、その増収分を充てるとした。
また、核実験やミサイル発射を繰り返す北朝鮮問題への対応についても「国民に問いたい」とし、解散は『国難突破解散』だ」とアピールした。
記者会見では言及しなかったが、自民党は憲法9条に自衛隊の存在を明記するなど、改憲についても公約に盛り込む方針で、重要な争点になる。
一方で野党側は今回の解散は学校法人「森友学園」「加計学園」の問題隠しだと反発してきた。希望の党の小池代表は「大義なき解散・総選挙」と批判し「消費税増税の凍結」「原発ゼロ」などの政策を掲げている。