「現実踏まえた安保政策に」 首相、防大卒業式で訓示
安倍晋三首相は22日、防衛大学校(神奈川県横須賀市)の卒業式で訓示し「必要なことは現実に即した具体的な行動論と、そのための法的基盤の整備。現実を踏まえた安全保障政策の立て直しを進める」と述べ、憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認が必要との認識を強調した。
首相は「日本近海の公海で、ミサイル防衛のため警戒にあたる米国のイージス艦が攻撃を受けるかもしれない」と指摘。「これは机上の空論ではない。現実に起こりうる。そのときに日本は何もできないということで本当に良いのか」と疑問を投げかけた。
そのうえで、「平和国家という言葉を唱えるだけで平和が得られるわけではない。現実から目を背け、建前論に終始している余裕もない」と述べた。一方、首相は「戦後68年間にわたる平和国家としての歩みはこれからも決して変わることはない。現実から乖離(かいり)した観念論を振りかざして、これまでの歩みを踏み外すようなことは絶対にない」とも表明した。
(朝日新聞社提供)
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